ファッション業界で働きたい！どんな仕事がある？アパレル業界職種一覧 

アパレル業界の職種は幅広い

大きく分けると５つに分類できる

アパレル業界の職種は幅広く、デザインから製造、販売、広告まで、多岐にわたる業務が組み合わさって成り立っています。 

その職種は大まかに「販売」「制作」「広報」「事務職」「その他専門職」の5つのカテゴリに分けることができます。 

（１）販売

アパレル業界の中で最も働き手が多い職種は、販売スタッフです。 
適切にお客様の要望を理解し、最適なコーディネートを提供するスキルが求められるのはイメージ通りですが、販売職の役割はそれだけではありません。お店の在庫を管理したり、POPやSNSの運用を担ったり、新人スタッフの育成をしたりと、その業務は多岐に渡ります。 

広い意味では、店長やエリアマネージャーも「販売」に関する仕事で、キャリアアップすればするほど、マネジメント能力が要求されます。 

販売スタッフはアパレル業界内でも、売上目標の達成や顧客の満足度向上に直結する重要な役割を果たしている職種と言えるでしょう。 

（２）制作

アパレル業界の創造的な要素を担うのが、商品開発やデザインチームです。 

デザイナーやパタンナー、縫製スタッフなどが、アイデアを具体的な形にし、最新のトレンドを取り入れた魅力的なアパレル製品を創り上げます。品質とデザインのバランスを保ちつつ、市場の需要にマッチした商品を提供することがこの職種の鍵となります。 

また、OEM企業における生産を担うアウトソース先の選定業務や、メーカーであれば自社工場の生産管理部門・仕入れ先の管理なども「制作」業務の一部といっていいでしょう。 

いずれも専門分野となりますので未経験からの転職は困難ですが、異業種の他社で同様のポジションを経験していた場合はアパレル業界でも活躍のチャンスがあります。

（３）広報（プレス・PR）

アパレル業界における広報はプレスとも呼ばれ、ブランドや商品の知名度向上、ポジティブなイメージの構築、消費者とのコミュニケーションの促進などを通じて、ブランド認知を支える重要な役割を果たします。 

広報の仕事内容は他の業界の広報と比べて、クリエイティブな業務内容が多いことが特徴です。 

例えば、新商品をリリースする際は、新しいコレクションの発表会やファッションショーのプロモーションを担当します。さらに、メディア招待状の送付、プレスリリースの作成、ソーシャルメディア運用を通じてイベントの宣伝なども行います。 
ファッション雑誌、オンラインメディア、テレビなどと連携して、企業やブランドの特集記事やインタビュー、広告掲載や商品の貸し出し業務（リース業務）なども広報の仕事です。 

アパレル業界の広報の仕事は、ファッション業界の特性やトレンドに敏感であることが大前提となりますが、最も重要な能力はメディアとの良好な関係構築能力です。 

アパレル業界未経験からの転職はなかなか難しい職種ですが、異業種の広報・マーケティング経験者であればアシスタントからスタートさせてくれる企業もあります。 

（４）事務職

アパレル業界の事務職は、ファッションや衣料品を扱う企業での事務業務を担当する仕事です。 
経営管理や在庫管理、仕入れ、人事などのバックオフィス業務など、組織全体の円滑な運営をサポートするポジションであることは他業界の事務職と変わりはありませんが、アパレル業界では、顧客管理やオーダー処理、サプライヤーとの連携など要求される職務が多岐に渡ります。 

異業種で事務職を経験していた場合、他企業との折衝経験がアピールポイントになります。 

（５）その他専門職

アパレル業界には、専門的な知識やスキルが求められる職種が存在します。 

ファッションコンサルタントやバイヤー、サプライチェーン管理者などがその一例です。 

これらの専門職の中には、Webマーケッターや人事など、異業種での経験が活かせるものもあります。 
こうした職種での経験をお持ちの方でしたら、アパレル業界でキャリアアップするチャンスがあります。 

人気の職種は販売員

アパレル業界での就業意識調査（エン転職×モデルプレス）によると、アパレル業界で働く人々の83％が引き続きアパレル業界で働きたいと答えていることが明らかになりました。 

特に注目すべきは、今後の職種選択について、「販売スタッフ・売り場担当」が現在アパレル業界で働いている人や業界未経験者を問わず、最も多くの人が選んでいるという点です。 

この調査結果からも明らかな通り、アパレル業界内での人気職種は「販売員」です。その人気の理由は、ファッションへの情熱を発揮できることや、顧客との直接的な関わりを通じて満足感を得られることが挙げられます。将来的には店舗管理やマネジメントのポジションに進むのが一般的な販売員のキャリアパスです。 

アパレル業界の職種紹介

1.ファッションを販売する職種

販売員

店長・副店長

店長や副店長は、店舗の運営全般を管理し、スタッフのマネジメントや売上目標の達成を担当します。販売員として現場経験を積んだ後に目指すことが一般的ですが、一部の企業では研修プログラムも提供されています。リーダーシップや組織運営のスキルが求められます。 

SV（スーパーバイザー）/エリアマネージャー

SVやエリアマネージャーは、複数店舗の管理を行い、店舗間での戦略的な運営をサポートします。通常、販売員や店長として経験を積むことでステップアップが可能です。戦略的思考やマネジメントスキルが求められます。 

2.ファッションをつくる職種

デザイン・製作

ファッションデザイナー

ファッションデザイナーは、トレンドやテーマに基づいて新しいアパレル商品のデザインを行います。アパレル業界の中でもクリエイティブな職種であり、ファッションセンスやデザインスキルが求められます。服飾専門学校を卒業するか、デザイン学校で基礎を学んだ後にある程度の実務経験を積む必要があります。

テキスタイルデザイナー

テキスタイルデザイナーは、生地や柄のデザインを担当するアパレル業界特有のデザイン職です。美術やデザインのバックグラウンドがある場合や、異業種でのテキスタイルデザイン経験をお持ちの場合であればアパレル業界特有のテキスタイルを学びながらチャレンジするチャンスがあるかもしれません。 

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーは、広告物や服に印刷するデザインを手がけます。グラフィックデザインスキルやソフトウェアの知識が必要で、学校やオンラインスクールでの学習は必須です。

パタンナー

ソーイングスタッフは、縫製工程を担当します。基本的な縫製技術が必要ですが、縫製専門学校で学びながらスキルを磨くことができます。 

商品開発・販売戦略

MD（マーチャンダイザー）

MD（マーチャンダイザー）は、商品の企画・開発や販売戦略の策定を担当します。未経験からでもアシスタントとして経験を積みながらスキルを磨くチャンスがあります。トレンドに対する感性の他、分析力やマーケティングの知識が求められます。 

バイヤー（買い付け・仕入れ）

バイヤーは、商品の仕入れを担当します。販売経験を活かしながらステップアップすることができます。トレンドを敏感に捉える能力や交渉スキルが重要な職種です。一部の企業では海外からの買付も行うため、その場合は語学力が高く評価されます。 

マーケティング

マーケティングスタッフは、商品の宣伝や販売促進活動を計画・実施します。未経験者向けのポジションもあり、デジタルマーケティングや広告企画などのスキルを学ぶことが必要です。 

クリエイティブディレクター

クリエイティブディレクターは、コレクションのテーマやスタイルを決定します。基本的に経験を積んだ後のポジションですが、クリエイティブなアイデアやビジョンを存分に発揮できるアパレル業界らしい業務です。 

生産管理・流通

生産管理（プロダクトマネージャー）

生産管理スタッフは、工場との調整や素材仕入れ・製品品質の管理を行います。OEMメーカーの場合は、生産委託先企業とのやり取りが主なミッションとなります。アパレル企業の屋台骨を支える大切なポジションです。 
メーカーの生産管理部門や流通・購買部門出身の方はそこでの経験を活かしやすいでしょう。 

DB（ディストリビューター）

DB（ディストリビューター）は商品の流通を担当し、各店舗への分配を調整します。意外と知られていませんが、実店舗が重要な販売チャネルとなるアパレル業界では重要なポジションです。未経験からでも流通に関する知識を学びながらチャレンジしやすいポジションです。 

3.ファッションを広める職種

PR関連

プレス（PR・広報）

プレス担当者は、メディアとのコミュニケーションやブランドの広報活動を行います。広報やマーケティングの経験が役立ちますが、雑誌社やテレビ局、Webメディアとのコネクションを築く能力も重要です。 

VMD（ビジュアルマーチャンダイザー）

VMD（ビジュアルマーチャンダイザー）は店内のディスプレイや陳列を担当し、商品の魅力を引き立てる専門職です。センスやクリエイティブな発想が求められます。 

EC運営

ECマーケティング（デジタルマーケティング）

ECマーケティング担当者は、オンライン販売の戦略を立案し実行します。ここ数年のアパレル業界で特に重要となっているポジションです。デジタルマーケティングの知識や分析力が必要です。通販会社やEC支援会社での業務経験をお持ちの方であれば、アパレル未経験でも転職しやすい職種です。 

WEB技術者（ディレクター、デザイナー、エンジニア等）

WEB技術者は、ウェブサイトやアプリの開発・運営を担当します。プログラミングスキルやデザインスキルが求められます。システム開発会社やSIerで開発経験を積み、インハウスエンジニアとしてキャリアステップを積みたい方におすすめです。 

営業

アパレル業界の営業担当者は、自社の運営するアパレルショップや小売店の売上アップを支援するリテール営業と、セレクトショップや百貨店などに自社製品を卸すための交渉や展示会での対応を行うホールセール営業に大別されます。 

BtoB企業で営業として働いた経験があるとホールセール営業としての転職に有利です。 

リテール営業は店舗での実務経験が要求されることがほとんどですので、まずは販売員としての転職を目指すこととなります。 

店舗開発

店舗開発担当者は、新規店舗の企画や設計を行います。建築や不動産の知識が役立ちますが、プロジェクトマネジメントスキルも必要な職種です。 

4.アパレル業界を支える事務職

事務全般（人事/労務、事務/総務、経理/財務、法務など）

事務関連の職種は、アパレル業界内の組織運営をサポートします。比較的未経験から飛び込みやすいポジションですが、隠れた人気職種のため事務処理能力の高さプラスアルファのアピールポイントが必要です。 

カスタマーサービス（CS）

カスタマーサービス担当者は、お客様からの問い合わせや返品交換、クレーム等に対応します。電話とメール両方での対応に加え、昨今ではSNSを活用するケースも増えていますね。異業種からの転職の場合でもコールセンターやCS部門で勤務した経験は高く評価されます。 

5.アパレル業界のその他専門職

スタイリスト

スタイリストは、モデルや商品のスタイリングを行います。ファッションセンスやクリエイティブなアイデアが求められる、アパレル業界経験者の上級専門職です。 

翻訳・通訳

翻訳・通訳担当者は、国際的な業務において言語の壁を乗り越える役割を果たします。当然語学力は必須ですが、加えて「アパレル業界の仕組みや構造、専門用語を理解している」と強みになります。

真贋 / 鑑定

製品の真贋判定や鑑定業務を行い、商品の信頼性を確保する専門職。真贋鑑定担当者は、ブランド品の価値や真贋を判定します。アパレル商品をメインで扱っていた買取業者やブランド古着ショップで重要な職務ですね。 

未経験でも挑戦できる職種はある？

販売員は未経験OKな場合が多い

アパレル業界未経験の方がアパレル業界を目指す際、一番の不安はおそらく「未経験でも採用されるか」だと思います。 

ご安心ください。幸いなことに、アパレル業界では未経験の方でも挑戦できる職種やチャンスがたくさんあります。 

ここでも注目すべきは、販売員のポジションです。 

接客経験やお客様とのコミュニケーション力さえあれば異業種からでも転職チャンスがあることが魅力です。 

多くのアパレル企業では新人向けの研修やトレーニングプログラムも提供されています。 

店舗での経験はアパレル企業にとっての根幹で、店長やSV、リテール営業などキャリアパスも広いことも魅力です。 

業種での経験を生かせる専門職を探そう

アパレル業界で新たなキャリアステップを模索する際、自身の持つスキルや経験を活かせる職種を選ぶことが転職成功の近道です。自分の得意な分野や興味に合った職種を選ぶことで、未経験からでもアパレル業界でのキャリアを築くことができます。 

以下にいくつかの例をご紹介します。 

法人営業経験を活かすなら

法人営業経験をお持ちなら、店舗を持たないメーカーのホールセール営業がおすすめです。ホールセール営業は研修やOJTを通じてのスキルアップを前提にした採用となっていることが多く、異業種でも営業経験があれば入社しやすいポジションです。 

Web/ITスキルを活かすなら

WebやITに関するスキルを持っているなら、ECサイトのWebマーケティングやシステム開発などの分野が選択肢となります。オンラインでの販売やプロモーション活動は、現代のアパレル業界において不可欠な要素となっており、非常に需要があります。 

デザイン経験を活かすなら

印刷会社やDTP企業でのデザイン経験をお持ちなら、商品開発やデザイン関連の職種がおすすめです。会社指定のデザインソフトの使用経験さえあれば、あとはポートフォリオ次第で転職のチャンスがあります。 

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