アパレル業界で働きたい、ファッション関係の仕事に転職したい、とお考えの方は多いのではないでしょうか!? 

でも、「ファッションが好きだから」「御社のブランドに憧れたから」といった安易な志望動機では、数ある求職者の中に埋もれてしまい、面接官の印象に残ることはできません。 

この記事では、未経験者と経験者の両者に向けて、アパレル業界における志望動機の書き方・伝え方のポイントと具体的な例文をご紹介します。 

1.志望動機はなぜ重要か?

書類選考や面談の場にて高確率で問われる事になる「当社を志望した理由を聞かせていただけますか?」という質問。 
アパレル業界に転職する場合でも、他の業界と同じように、志望動機はとても重要です。 
志望動機は職務経歴書に記載する他、面接でも必ずといっていいほど確認されます。 
それは業界未経験者であっても経験者でもあっても同様です。 

アパレル業界志望者の中には「ファッションが好き」「ブランドが好き」という受け答えだけで済ましてしまう方も多いのですが、これはNGです。 

志望動機では、「即戦力感」をアピールすることが重要です。 

採用企業は、自社の採用ニーズと求職者のスキル・経験・価値観が「合致している」と感じる人材を「即戦力」として高く評価します。 

そのため、志望動機から自身の「スキル・経験・価値観」が採用企業にマッチしていることを簡潔に伝えられるように、あらかじめしっかり準備して面接に臨む必要があります。 

例えば、採用企業が「アパレルショップスタッフ」を募集している場合、求める人材像は次のようなものが想定されます。 

この企業Aに対して、「未経験ですが御社が好きだから応募しました」と話すより、「飲食店での接客経験をアパレル業界で活かし、将来は店長を目指したいと思います」とした方が、グッとあなたの良さが伝わりますよね。 

このように、採用企業が求める人材像を理解して、あなたの経験や特徴との結びつきを説明することで、「即戦力感」のある志望動機が完成します。 

「求める人材像」は職種だけでなく、企業によっても異なりますから、事前に求人票を読み込んだり、転職エージェントに相談したりして企業理解を深め、志望動機の精度を高めておくことをおすすめします。 

2.アパレル業界未経験の方の志望動機

2-1.アパレル未経験者の志望動機のポイント

2-1-1.「なぜアパレル業界なのか?」が伝わるように

未経験でアパレル業界を志望する場合、面接官は単純に「なぜアパレル業界なのか?」といった疑問を持ちやすいものです。志望動機がこの疑問に対する回答になっていると、その後のやり取りがスムーズになります。 

例えば、「取引先のファッションメーカーと懇意にする内に、業界の魅力に惹かれた」といった形で具体的な理由を盛り込みましょう。 

応用編として、アパレル業界そのものではなく「御社に応募した」理由でもOK(むしろその方が好印象になるケースが多い)です。例えば「ECの支援会社で経験を積んできたため、商品力がありながらECの強みを活かしきれていない会社を探している」といったものがこれにあたります。 

2-1-2.異業種での経験やスキルと求人内容の関連性をアピールする

未経験者の方にとっては、アパレル業界への志望動機を書く際に経験やスキルが少ないと感じるかもしれません。しかし、過去の経験やスキルは、アパレル業界での仕事においても十分に活用できます。 

先程も例にあげた「ショップスタッフ」募集に対する「接客経験」や、「Webマーケティング担当者」募集に対する「マーケティング支援会社でのディレクター経験」などが代表例です。 

アパレル未経験の場合は、異業種での経験がアピールポイントになりそうな求人を探すことが転職活動最大のポイントとも言えます。 

2-2.未経験者のアパレル業界への志望動機の例文

2-2-1.例文(1)[飲食チェーン勤務 → ショップスタッフ]

飲食チェーンで4年間勤めた経験を活かせると思い、応募いたしました。御社は「売場づくり」にこだわって、店舗のロケーションや客層に合わせた各店独自裁量のキャンペーンや導線設計を強みにしておられると伺いました。私は、◯◯店の副店長として自店独自の裏メニューや店内POP・TikTokを通じた販促に工夫を凝らし、前年対比で売上を伸ばしてきた経験があります。アンケートの結果、他店に比べて若年層のお客様が多い事に注目しての施策でした。 

残念ながら本社の方針でできなかったアイデアなども多数ありましたが、各店の独自性を強みとしている御社であればこうした取り組みを評価していただけるのではないかと考えて応募した次第です。 

●POINT 
「飲食チェーンで培った経験と実績」を具体的にイメージさせつつ、その内容が応募先企業の戦略・社風にマッチしていることを伝達できている。 

2-2-2. 例文(2)[異業種採用人事 → アパレルブランド採用人事]

私は大手スーパーの人事担当として、パート社員の採用フローを見直し、大幅に効率をアップさせるプロジェクトに携わってまいりました。いちばん印象に残っているのはLINEを活用したパート募集のプロジェクトで、前年の倍以上となる応募の獲得に成功しました。次は採用人事として正社員採用関連の業務に強い関心を持っていますが、残念ながら現職は中途・新卒ともに採用活動にあまり力を入れていません。 

御社では、アルバイトと正社員、双方の人材開発に力を入れていると伺っています。当初はアルバイト採用の方面で前職の経験を活かしながら、徐々に正社員採用の業務にも携わらせていただき、キャリアアップして参りたいと考えています。 

●POINT 
「今すぐに即戦力となれる分野(ここではパート社員の採用)」をきっちりとアピールしつつ、「将来展望(ここでは正社員採用業務)」も応募先にマッチしていることがよく伝わる志望動機になっている。 

2-2-3. 例文(3)[Webマーケ会社ディレクター → アパレルブランドWebマーケ担当]

私はこれまでWebマーケティング会社でディレクターとしてクライアント対応にあたって参りました。特にECサイトの支援経験が多く、そこでの経験から、ECサイトはブランド成長において極めて重要な役割を果たすと考えています。 

ただ、あまりにもたくさんのお客様を任される事が多く、ひとつひとつのお客様に対するクオリティの担保に限界を感じるようになってきてしまっているのも事実ですし、どうしても戦略レベルまで踏み込んだ経験ができません。そこでキャリアのステップとして「ひとつのサイトに集中してリソースを注げる」、Web担当者としての働き方を志向しています。 

今回、御社が今後自社ECに力を入れていく方針であることを知り、これが私のキャリアにおける次なるステップであると確信しています。御社は店舗レベルでは強いブランド力を持ちながら、通販分野の売上は大手のECモールに寄るところが大きいと伺っているからです。 

もしご入社させていただけましたら、独自ドメインを通じたEC強化に貢献しながら、O2Oや越境ECなどの戦略的な取り組みに対するアイデアを積極的に発信していきたいと考えています。 

●POINT 
自身の経験(ここではEC支援経験)がそのまま応募先企業の不足を補うもの(ここでは自社ECの強化)になっている。 
転職理由がキャリアアップを目指したものであることが明確に伝えられているのも良い。 

3. アパレル業界経験者の方の志望動機

3-1:アパレル業界経験者の志望動機のポイント

3-1-1. 過去の経験と応募先企業への特徴を合致させる

過去のアパレル業界での経験やスキルを強調しましょう。自分がどのような役割を果たし、どのような成果を挙げたのかを具体的に示すことで、今後もその経験を活かして貢献できることをアピールします。 

さらに重要なのが、その経験やスキルを応募先企業の特徴やブランドの価値観と合致していることを示すことです。「それほどの経験なら他社(もしくは現職)でも良いと思うが、なぜウチなのか?」という疑問を志望動機で打ち消してしまいましょう。 

事前に商材の特徴、ブランドコンセプト、顧客層などをよく調べて理解しておき、説得力をもって即戦力性を伝えられるようにしておきましょう。 

3-1-2. 特別なスキルや専門知識などの強みをアピールする

他の候補者と異なる専門的なスキルや知識を持っている場合、これをアピールポイントとして強調しましょう。例えば、特定のデザインツールの達人、特殊な素材の専門家、特定の市場セグメントの経験者などが挙げられます。 

ご存知の通りアパレル業界は非常に変化の激しい業界で、特に昨今はファッショントレンドだけでなくITによる技術要因による変化も著しくなっています。 

他者には無い特別なスキルや経験は、非常に強力なアピールポイントとなります。 

例えば、グローバル展開に力を入れていたり、海外からの仕入れが多かったりする応募先企業の場合、外国語や国際経験があることは大きなアドバンテージです。このような企業に応募する場合、海外企業とのコミュニケーション経験が少しでもある場合は、積極的にアピールしていきましょう。 

3-1-3.転職理由がポジティブな印象になるとなお良い

転職を決めるということは、多かれ少なかれ現職に不満があってのケースが多いと思います。 

ただ、面接の場では(特別に面接官からの誘導が無い限り)転職理由はできるだけポジティブな印象でまとめておく方が無難です。 

これはアパレル経験者に限ったことではありませんが、志望動機を語るということは間接的に転職理由にも触れることになりますので、できるだけ「転職はステップアップ・キャリアアップを目指してのものである」ことが伝わるような構造になっているとベターです。 

最も分かりやすいのが、「スキルには自信を持ち始めてきたが、現職の商品ラインナップや流通システムではどうしてもやりたいことにチャレンジできない」という流れです。

3-2:業界経験者の志望動機例文

3-2-1.例文(1)[自社ブランド店長 → セレクトショップ店長候補]

私はこれまで自社ブランド店の店長として、売上改善には継続的な顧客満足度の向上が不可欠であるということを学びました。顧客が製品だけでなく店舗の雰囲気やサービスにも満足してくれることで、リピート率が上がり、売上に直結します。私はまだ店長2年目ですが、お客様との積極的なコミュニケーションやSNSの活用、店内の陳列の研究、スタッフの接客トレーニングは相当やり込んできた自信があります。その結果、自店の売上を〇〇%向上させることができました。 

今回、御社の店長候補として応募する理由は、御社ほど多様なブランドを取り扱うことでお客様にトータルコーディネートを提供できる魅力を感じるからです。 

残念ながらこれは、自社ブランドを積極的に販売することが本社から強く推奨される現職では叶わないことです。 

お店づくりに関してはこれまでの経験を存分に活かしつつ、御社ならではの豊富なラインナップを活かして今までにない高リピート率を実現したいと考えています。 

●POINT 
十分な活躍をしていながら転職を検討する理由と、その応募先が当該企業である理由が納得のいく形で説明されている。 

3-2-2.例文(2)[総合衣料メーカーデザイナー → 子供服専門メーカーデザイナー]

私はこれまで総合衣料メーカーのデザイナーとして、幅広いアイテムのデザインに携わってきました。特にここ数年は、子供服部門のデザインを担当しています。 

趣味でマンガを書いていることもあり、アップリケやプリントなど、キャラクターもののデザインにも挑戦したいのですが、現職では子供服部門の扱いが小さいことや販売方針の兼ね合いもあり、自社でイラストを起すことはほとんどなく、既存IPや有名デザイナーの作品を使ったTシャツやジャケットのデザイン業務がほとんどです。 

貴社は、子供服専門としてオリジナルのキャラクターアイテムを数多く手掛けており、子供服分野では競合と認識しながらも憧れの存在でした。現職での経験を活かして最初は既存のアイテムの製品デザインから入らせていただき、ゆくゆくはキャラクターをはじめアイテムの主役となる部分のデザインにも携われるよう経験を積んでいきたいと考えています。 

今日はポートフォリオとして自作のキャラクターイラストも持参いたしましたので、ぜひご覧になってください。 

●POINT
自身のキャリアビジョンが採用企業の商材としっかりマッチしているので、転職検討理由をポジティブに受け取ることができる。 
独学ではありながらコツコツとイラストを書き溜め、ポートフォリオ化していることからも、単に「やりたい」というレベルではない熱量を感じさせる。 

3-2-3.例文(3)[靴下メーカーMD → 総合衣料ブランドMD]

私は靴下メーカーのMDとして経験を積んできました。現職でスポーツ用靴下を開発・販売するとなった際、サッカー専門の雑誌社複数に足繁く通いつめ、タイアップでスマッシュヒット商品を生み出したのが一番の成果といえるかと思います。 

御社は総合衣料ブランドとして、最近はスポーツ分野への進出し始めたところだと伺っています。 

私は靴下専門メーカー出身ではありますが、先程申し上げたプロジェクトを通じて、スポーツ界におけるヒット要因やチャネル別の費用対効果を間近で見て参りましたし、スポーツ系雑誌社との関係を深めることができました。 

これまでは靴下だけの取り扱いでしたが、前職で培った経験と人脈を活かし、多様な商品力を持つ御社で、さまざまなスポーツアパレルの展開に関わりたいと思い、応募いたしました。 

●POINT
新しい分野に乗り出す募集企業に対して、「当該分野で経験を積んだ」ことをアドバンテージにできおり、企業戦略にマッチした人材であることを感じさせる志望動機。 

アパレル業界の転職に悩んだら、インターベルのSOW.TOKYO

アパレル業界の志望動機では、単に熱意をアピールするだけでなく、自分がなぜ「即戦力」なのかをアピールすることが重要です。 

「即戦力」の定義は、募集企業によって違います。 
100社に応募するのであれば、100通りの志望動機が必要なわけです。 
つまり、応募先企業の求人をよく理解して、書類の作成や面接に望む必要があります。 
裏を返せば、あなたの経験を必要としている会社は必ずあります。 

もしどうしても自分ひとりで志望動機が上手に作れないと感じたら、当社インターベルが提供しているアパレル・ファッション業界の求人・転職 SOW.TOKYOにご相談ください。 

求人のご紹介も、転職活動のアドバイスもすべて、無料で承ります。 

インターベルはアパレル・ファッション業界専門の総合人材企業です。