ファッション業界の最前線で活躍するトップクリエイターの方々にインタビュー
ジャーナリスト、スタイリスト、ブロガー、ファッションコンサルタントなど様々な顔を持ち、原宿かわいいカルチャーをはじめ、日本のファッションシーンを世界に発信しているミーシャ・ジャネットさん。
子供の頃からファッションの仕事に憧れていたミーシャさんが、ファッションを勉強するために選んだのは、パリやニューヨークの学校ではなく、東京の文化服装学院のスタイリスト科。
高校時代に西宮に留学した経験があったこと、そして「人と違う視点を持たないとファッションの世界で勝負できない」と考えての選択だ。
「 授業の合間に、ショップやイベントを見て回ったり、名刺をつくって人脈をつくったり。カメラマンやメイクの人とチームをつくってスタイリングの作品集もつくりました。とにかく現場の経験を積まなければと考えていたんです」。
アメリカ人としてはシャイな性格というミーシャさん。
日本語の敬語の使い方もままならない中、勇気をもってブランドから服を借りて実績をつくっていくことにまい進した。
『JapanTimes』で東京コレクションを取材した時には、自分自身をスタイリングしてファッションを楽しもう!と、アタッシェドプレスで衣装を借りて派手な服で通い、業界内でも大きな話題となった。
原宿のかわいいカルチャーを知ったのは東日本大震災の年。
「当時、世界のファッションニュースを見ると、日本はギャルソン以来おもしろいものがないし、震災も起きたから中国や韓国に目を向けよう、という流れがあったんです。でもそれは違う!ということを伝えたくて、自分のブログを立ち上げて、原宿の元気なファッションを伝えていこうと思ったんです」。
同時期からNHKワールドでかわいいカルチャーを伝える番組のMCも務め、世界に日本の元気なカルチャーやファッションを紹介し続けている。
ミーシャさんの日本のファッションを見る目は、常にジャーナリスティックだ。
「今、マスに受けるファッションにみんなが飽き始めてきてるような気がしています。私は最近の服はインスタグラムでいいなと思うデザイナーを見つけて、オーダーしています。今風のクチュールといえるかも。デザイナーにとってもこれはチャンス。小さい規模だけどやりたいことで生きていける。日本は以前からファンを大切にして小規模で成り立ってきたブランドが原宿を中心にたくさんありました。実はこういった形のブランドは海外にはないんです。こんなところから新しいものがまた生まれるかもしれませんね」。
ミーシャ・ジャネットMISHA JANETTE
1983年、米国ワシントン州生まれ。
2004年、文部科学省の奨学金制度の3人のひとりに選ばれ、文化服装学院スタイリスト科に入学。
『JapanTimes』のファッション担当ジャーナリストとして東京コレクションをレポート。
11年よりNHKワールドの番組『Kawaii International』のMCを努める。
現在、「シュウウエムラ」のSNSメディアのクリエイティブコンサルタントとしても活動中。合同会社トッテオキCEO。