ファッション業界の最前線で活躍するトップクリエイターの方々にインタビュー
高校生になるまでおしゃれとは全く縁がなく、兄2人のお下がりの服で生きてきた、という太田さん。
ファッションに目覚めたのは高校2年の時。原宿で見かけたモデルの女の子のボーイッシュなおしゃれに憧れて毎日原宿に通ううち、人気ショップ「サントニブンノイチ」のショップスタッフに。
SNSでも「おしゃれでかっこいい!」と、10代を中心に絶大な人気を集める原宿ファッションアイコンの一人だ。
太田さんにとって、SNSは表現活動の一部。
「インスタグラムは自分の世界観を知ってもらう場所。ひとつのアートという感覚でセルフ画像だけでなく、おしゃれだなと思うものを自由にあげています。基本的に僕は人にかまってほしいし、いつも何かを表現したい衝動にかられていて。今インスタグラムがなかったら、表現する場がなくてもどかしくて何をやっていいのかわからなかったかもしれません(笑)」。
だが、今の原宿ファッションはSNSの情報があるせいで、「型にはまったものになっている気がします」とも。
「僕が高校生の時はまだSNSの中にもあまり情報がなかった。だからこれが正しいというものがなくて、一人ひとりが自由に自分で編み出したファッションをしていたような気がします。今も自分のファッションは流行の中に必ず自分らしさを入れることを心掛けていますね」
インフルエンサーとして名を知られるようになって、モデル、アーティスト、ラッパー、芸人と、いろんなジャンルの友達が増えたことが何よりもうれしいと太田さん。
今年4月から美容師としての道を歩み始め、SNSのファンが指名で髪を切りにくることもあるそうだ。
「SNSで知り合った人はみんなすごくクリエイティブでおもしろい人たちばかり。服を裏返して着たり、充電コードをベルトにしたのも友達のひとりが初めてやったこと。どこにもそんなカルチャーなかったよね、ってことをやっているんです。そういう人がもっと増えてほしいし、自分も常に新しいといわれ続ける人でありたい。美容、ファッションというジャンルも超えて、マルチに活動できる人を目指したいですね」
おおた せいや太田 晴也
1996年、埼玉県生まれ。
日本美容専門学校在学中に、原宿の古着ショップ「サントニブンノイチ」のショップスタッフとなり、ストリートスナップ、モデルの仕事などで活躍。
1980~90年代のオールドGAPを集めていたこともあり、GAPの店頭ムービーにも起用された。
2017年4月からヘアサロン「CODE+LIM」に所属。美容師、インフルエンサーと活動の幅を広げている。