ファッション業界の最前線で活躍するトップクリエイターの方々にインタビュー
細身のスタイルに、美しいメイク。
「女子よりもきれいでかわいい!」と原宿のファッションアイコンとして人気のユースケ・デビルさん。
「ネオイケメン」というネーミングも生み出したジェンダーレスブームの火付け役だ。
ツイッターとインスタグラムを始めたのは高校1年の時。
「その頃はまだ原宿カルチャーが一般的ではなく、個性の強いファッションやメイクをしていると、周りから浮いている感覚がありました。けれどSNSでは評価してくれる人がいて、声を聴くことができる。それがうれしくて、自分に自信を持つことができました」。
スタイリングの基準は、「似合うものを着る」こと。
「僕がおしゃれだなと思うのは、自分の“似合う”を知っている人。すごく自分に似合うものがわかってるな、という人に惹かれますね。僕の場合、最初の頃は自分の体にレディースの服が合っていて、それをいろいろとミックスしていったら、ジェンダーレスといわれるものになった。色も本当は赤やピンクが好きなんですが、似合うのは黒。好きと似合うは違うから不思議ですよね。まだまだこれからも自分に似合うものを研究しなきゃいけないと思っています」。
原宿のファッションの中に身を置いてきたユースケさんは「4~5年前に比べて原宿が落ち着いた気がします」と言う。
「以前はもっと一人ひとりが個性的でした。今は着るものがパターン化されている気がします。もっとみんなが違うファッションをしていたほうが楽しいのに!って思いますね」。
ユースケさんのフォロワーは中国、韓国のアジア圏からアメリカまでワールドワイドだ。コメントも外国語のものが多い。特に韓国での人気は高く、韓国の雑誌の連載記事を持ち、月に1回撮影のために通っていたことも。
「日本では『男なのになぜメイクをしているんだ』と言われるのですが、韓国では『男なのにメイクがうまい』と捉えられる。男女の差がフラットでポジティブなんです。だから居心地がいい」。韓国人の友人と一緒にいるうちに韓国語も習得。今後はYouTubeの活動も構想中だ。
「おしゃれでクオリティの高いメイクの動画をつくってみたいですね。日本のメイク系の動画はウケ狙いやハウツーものが多いのですが、アメリカや韓国ではおしゃれでかっこいいメイクの動画が人気なんです。日本人としてチャレンジして、世界に向けて新しいことを発信していきたいですね」
ユースケ・デビルUSUKE DEVIL
1994年、茨城県生まれ。
高校時代に始めたインスタグラムで人気に火がつき、文化服装学院在学中からハイブランドを中心にインフルエンサーとして本格的に活動。
また、原宿の「メゾン ド リーファー」や「バブルス」といったブランドとの商品開発などで活躍する。
20歳の時、スタイルブック『scream』を出版。世界各国にフォロワーを持つ。