株式会社バニッシュ・スタンダードが運営する、日本一のカリスマアパレル店員を決める接客コンテスト『STAFF OF THE YEAR 2024』のファイナルステージが9月13日(金)に国際フォーラムで開催された。

審査員にはモデルのアンミカ、タレントのpecoに加え、販売員時代には世界一の売り上げを記録し「販売の神様」と呼ばれた秋山恵倭子氏、そして接客販売トレーニング&コンサル事務所kocori代表の坂本りゅういち氏の4名が選定された。

筆者は当日会場にて参加。日本一のアパレル店員が決まる瞬間を見届けたのでお伝えする。

全国8.5万人を勝ち抜いた14名によるファイナルステージ

このコンテストのファイナルは1stステージ、2stステージによって最終14名まで絞られた状態でスタートする。この日のために4月から選考は始まっていたのだ。2stステージのWEB投票では、1カ月で240万票の応援投票が集まるほどの白熱ぶりを見せていた。

ファイナルの会場は国際フォーラムで、今年は過去最大の規模となった。

中に入ると同じお店で働くスタッフやブランド本社のメンバー、顧客など数多くの仲間が応援に駆けつけており、会場はほぼ満席となっていた。皆名前入りのうちわやペンライト、ブランドロゴが入ったタオルや法被(!)などを身に着けながら声援を送る。

今回のファイナリストはTOMORROWLAND、UNITED ARROWS、BEAMSなど大手ブランドや、UNTITLED、MOUSSY、riendaなどのレディースブランド、そして初出場のLevisなど幅広いブランドのスタッフが揃った。

開会式からスタート

開会宣言は株式会社バニッシュ・スタンダードの代表、小野里さんが務めた。

また、ユナイテッドアローズの創業者・重松名誉会長も登場した。重松氏は「販売員は、店頭でお客様の問題を瞬時に解決してお客様との感動を共有できる、本当に素晴らしい存在だと思っています。今後もその接客技術を磨き、お客様の満足度を最大化することに従事していただきたいです。本日は皆さんの接客を目の前で見させていただけること、楽しみにしております。」と延べ、ファイナリストへの期待を明らかにした。

2022年グランプリを受賞したBEAMSのHeg.さんも登場し、今年の出場者への応援メッセージで会場を盛り上げた。

第一審査は「1on1ロールプレイング」

まずは1on1ロールプレイングで接客の審査が行われる。これは、2人の販売スタッフが交互にお客様を接客し、その実力を競い合う形式のもの。制限時間は1回90秒で、お客様は交互に2回店舗を行き来しながら服選びに迷い、最終的にスタッフの接客力で勝敗が決まる。

90秒という短い時間内でいかに上手くアプローチし、お客様のニーズを引き出すかがカギとなる。どんなお客様が来るか、どんな設定なのかはスタッフも知らされていないので、臨機応変に対応する必要があり難しい。

自然なアプローチの会話(「今日はデートですか?」「どこか行かれる予定ですか?」)から、求めるアイテムのイメージを洗い出し、鏡の前で合わせてコーデを提案するまで、たった90秒で持っていける人もいる。そのスムーズな接客力に驚いた。
このお客様役は人気タレントゆうちゃみ・ゆいちゃみ、そして芸人のコットン、スパイクが務めた。

第二審査は自己PR

一次審査で更に8名まで絞られると、90秒自己PRの二次審査が始まる。それぞれ接客への思いや今までの経験、STAFF OF THE YEARへの意気込みをスピーチした。その熱意や人間性で、この審査は行われる。

中には話しながら涙を流してしまうスタッフも。新人時代の辛い思い出や大事な顧客様からのメッセージなど、聞いているこちらも心を動かされる瞬間であった。仲間たちからの応援動画も流れ、会場は感動ムードに包まれた。

最終審査は上位4名による1on1ロールプレイング対決

最後はそこからさらに勝ち残った4名による1on1ロールプレイング対決。接客上位同士の戦いということで、初めより緊迫した雰囲気で行われた。

残った4名はYuKaRiさん(UNTITLED名古屋名鉄)、SUDOさん(BEAMS新宿)、栗本さん(green label relaxing自由が丘店)、Daijoさん(TOMORROWLAND札幌ステラプレイス店)。中でもSUDOさんは唯一の男性スタッフとなった。

バトルの結果、3位はDaijoさん、4位はYuKaRiさんに決定。
そして最終決戦はSUDOさんVS栗本さん。お客様は「同窓会に行く服を探す男女2人組」という設定だった。

SUDOさんはアプローチでなかなかアイテムの話題まで持って行けず、第一セットは雑談で終わってしまう悔しい結果に。栗本さんは短い時間でも商品の提案をし、鏡の前でのご提案まで展開できた。

そして結果、見事栗本さんがグランプリに輝いた。栗本さんはgreen label relaxing(UNITED ARROWSグループ)で販売歴15年という経歴の持ち主。オンライン接客やSNSでの発信にも前向きに取り組んでいる。

盛大な授与式、そして閉会

グランプリの栗本さんには審査員代表のアンミカさんから、2位のSUDOさんには審査員pecoさんからトロフィーと賞金が渡された。

栗本さんは「支えてくれた仲間のおかげでこの賞をいただくことができました。お客様にもっと喜んでいただきたい、お役に立ちたいという想いをここにいるみんなが持っていると思います。その可能性を広げてくれるのがオンライン接客で、もっと多くのお客様をファッションを通じて幸せにできると思います。それをこれからも体現し続けます」とコメントした。


(左からYuKaRiさん、栗本さん、SUDOさん、Daijoさん)

アンミカさんは「皆さんお洋服を愛していること、そしてお客様を輝かせたいという思いが真摯に伝わってくる素晴らしい接客でした。毎年レベルが上がっているこのコンテスト、時代の変化を作っていくカリスマ店員の活躍がこれからも楽しみです」とコメントした。

この受賞は日々の接客において示してきたプロ意識と、チーム内での人情の証だと思う。「令和のカリスマ店員」としての今後の活躍にも期待したい。

〇STAFF OF THE YEAR
STAFF OF THE YEAR (スタッフオブザイヤー) presented by STAFF START (staff-start.com)