2025年8月6日、京セラドーム大阪にて「KANSAI COLLECTION 2025 AUTUMN & WINTER」が開催された。関西最大級のファッションイベントとして知られる本イベントは、アパレルブランドによるランウェイショー、人気アーティストによるライブステージ、そしてインフルエンサーやモデルの出演など、多彩なコンテンツで構成されている。

今季のテーマは、Z世代を中心とした“今”のカルチャーとファッションのクロスオーバー。Y2Kやジェンダーレス、韓国カルチャーなど、Z世代が共鳴するキーワードが随所に散りばめられており、リアルクローズと自己表現の最前線が集結した一日となった。

本記事では、実際に会場を訪れた体験をもとに、注目ブランドのランウェイ、話題のアイドルライブ、そして会場のリアルな熱気をレポートする。

 実際に潜入してみた!

開場と同時に、京セラドームには若い来場者が続々と集まり始めた。Z世代らしいY2K風ファッションや、韓国アイドルの応援スタイルに身を包んだ人々、男性ファンも多く見られ、入り口付近からすでに熱気が漂っていた。また、小学生など若年層の姿も見られ、より観客の幅広さを実感することができた。

会場内にはフォトスポットやポップアップブースも充実しており、インフルエンサーのTikTokライブの配信を生で見ることのできるブースも。SNS用に撮影している姿があちこちで見られ、まさに”体験型イベント”という表現がふさわしい雰囲気であった。ステージ前では、事前に情報をチェックしてきたファンたちが推しの登場を今か今かと待ちわびており、開演前からすでに期待感が高まっていた。

会場を歩いていると、友人同士でリンクコーデを楽しむ姿や、最新トレンドを取り入れた個性派ファッションが目を引く。ファッションだけでなく、推し活グッズやメイク、髪型にも力を入れており、全身でイベントを楽しもうとする姿勢が印象的だった。

アパレルブランドのファッションショー

今回は多くのアパレルブランドが参加し、様々なインフルエンサー・アイドル・モデルがウォーキングを行った。今回はその中でも特に完成が大きく目立った3つのブランドを紹介しようと思う。

Darich

ガーリーでフェミニンな世界観で支持を集めるDarich。今回のランウェイでは、ツイードやレザーといった異素材を組み合わせたコーディネートが多数登場し、可愛らしさの中に大人っぽさや芯の強さを感じさせた。
ブランドの持つ甘さだけではなく、エッジの効いたディテールやカラーリングが光っており、“ただ可愛いだけではない”洗練されたガーリースタイルを体現していた。

スタイルアップが叶うシルエットに加え、モデルたちの”彼女感”溢れる表情も相まって、観客の視線を釘付けにした。人気インフルエンサ―「MINAMI」「おさき」「Kirari」が登場し、会場は完成に包まれた。

Rose Muse

Rose Museは、繊細でロマンティックなムードが特徴のブランドである。今回のショーでも、レースやシフォン、フリルをあしらったワンピースやセットアップが多数登場。
淡いトーンのカラーリングや、夢の中にいるようなスタイリングが印象的で、静かに会場の空気を変える力を持っていた。モデルたちのゆったりとしたウォーキングと演出も、Rose Museの幻想的な世界観を見事に引き立てていた。

また、繊細な素材感と計算されたシルエットが融合し、”大人ガーリー”の新たな可能性を提示。甘さと儚さを併せ持った、Z世代の“理想の自分”を体現するようなスタイリングが際立っていた。

ランウェイのトップバッターには≠LOVEの大谷映美里が登場。可愛らしい雰囲気とスタイリングがマッチし、ファンから歓声が止まなかった。

MURUA

MURUA(ムルーア)のステージは、関コレ全体の中でも一際クールな印象を残した。モード×フェミニンを軸にしたアイテム展開で、洗練された大人の女性像を描き出した。
モノトーンに差し色を効かせたルックや、カッティングにこだわったトップス、レイヤードスタイルが目立ち、自己表現を重視する今の若者たちのスタイルにマッチ。

トップバッターで登場したインフルエンサー「おさき」のクールなスタイリングには、観客からも大きな反響を呼んでいおり、MURUAらしい“媚びない美しさ”がランウェイ上でもしっかりと表現されていた。

アイドルライブも開催!

ファッションショーの合間には、人気アイドルによるライブステージも行われた。まず登場したのは、Z世代に絶大な支持を誇るガールズグループiLiFE!。カラフルな衣装とエネルギッシュなパフォーマンスで、一気に会場の空気を変えた。

今回は女子プロゴルファーの臼井麗香選手、菅沼菜々選手とコラボでパフォーマンスを披露。アイドルファンだけでなく、スポーツ好きの注目も集める貴重な舞台となった。


曲中にはメンバーが観客に手を振ったり、名前入りのうちわに反応するシーンもあり、ファンとの距離が近いライブであった。MCではイベントへの感謝を伝える場面もあり、観客との心の距離をぐっと縮めた。

続いてステージに登場したのは、韓国から出演となるOH MY GIRL。代表曲「Dolphin」や「Nonstop」などを披露し、その完成度の高いパフォーマンスとビジュアルで会場を魅了した。

その他にもKep1erやBilllieなど人気韓国アイドルが登場。韓国カルチャーに親しむ来場者も多く、ステージが始まった瞬間の歓声はひときわ大きかった。K-POPならではのフォーメーションや表現力の高さに、関西コレクションの新たな可能性を感じさせるライブとなった。

まとめ・おわりに

2025年の関西コレクションA/Wは、Z世代の感性を軸に、ファッション・音楽・カルチャーが融合した密度の濃いイベントであった。各ブランドがそれぞれの”らしさ”を存分に表現し、来場者たちはそれを受け止め、自分らしいスタイルを探すヒントとして持ち帰っていたように感じる。

DarichやROSE MUSEのような女性らしいブランドから、GALFYのようなストリート全開のブランド、MURUAにようなクールなブランドまで、ファッションの多様性と自由さを体感できたことは非常に大きい。また、アーティストライブでは、日本と韓国のアイドル文化が交差し、新たなファン層の獲得や文化的な広がりにもつながった。

「ただのファッションショー」では終わらない、体験型のカルチャーイベントとして進化を続ける関西コレクション。次回の開催ではどのようなトレンドと感動が待っているのか、今からすでに期待が高まる。Z世代の“今”を体感するなら、やはり関コレである。