会場は東京ビッグサイト
「ブランドの仕入れ」「生地・素材の発注」「OEM/ODM依頼」などの「商談」を目的とした展示会であり、日本にいながら国際契約も結ぶことができる。
注目のサステナブルブースはこれ!
会場で注目だったのは日本紙パルプ商事株式会社。モリトアパレル株式会社と共同開発した「和紙糸」から織った和紙糸生地を使ったストール、ジャケット、シャツなどのアパレル製品のほか、モリトグループの最新取扱い製品・資材(生地・テープ・糸・副資材)が、一斉に並ぶ。
CO2を吸収しにくくなった老齢の授記は伐採され、建材として使われるようになる。この時に出る端材を生かして作られるパルプが紙の原料になり、それを使って開発した糸が「和紙糸」だ。
会場ではこの「和紙糸」を使用して作られた洋服も展示。綿や麻に比べて3倍ほど軽いのが特徴的だという。また通気性や吸水性に優れており、衣服やタオルなど様々なアイテムに利用できる。その他にも、「廃漁網」を使用した素材のモノなど、まさにSDGsに配慮したファッションアイテムが揃っていた。
また、日本ならではの素材で勝負する企業も多々見られた。岡山の伝統品である「倉敷染」を使用したアイテムや、抹茶を使ったサステナブル素材の「抹茶レザー」など。
ファッションテックのブース
ファッション業界向けのDX・ファッションテック・ITサービスのブースも大盛況だった。筆者が興味を持ったのは株式会社スクロールインターナショナルが提供する「LIGHTCHAIN」。これはお洋服の商品提案から微修正まで、全て生成AIによって数クリックで何度でも行えるサービスだ。元商品の画像を読み込むだけで、生地・色の変更や新しいデザインの生成、AIモデルによる着用画像まで作ることができる。
また、アパレル業界では人材不足も長年の課題である。そのためキャスティングや在留外国人専門の採用サービスなどの出展も多く見られた。
韓国からの出展も多数
FaW Tokyoの楽しさは海外からの出展もあるところ。その場に翻訳担当もいるので、すぐに商談を行うこともできる。韓国の生地・素材会社も多数集まっていた。
また、新進気鋭ブランドの出展も。「AWD」は韓国の배재대학교(培材大学校)の学生たちによって作られた。25SSはデニム生地を多く使用したルックが多数。流行りのグランジスタイルを取り入れ、生地にこだわった個性的なアイテムが並んでいた。
アジアの縫製・生産工場ブース
OEMのブースではウェア、バッグ、シューズ、アクセサリー、帽子など、「OEM・ODM商談」の場が繰り広げられていた。中国の工場を中心に、様々なカテゴリーの会社が一挙にずらっとならぶ。
どこも「少量注文可能」「デザイン提案可能」とPOPが付いており、要望には柔軟に対応できるようだ。ここでもたくさんの商談光景を見かけた。中国のほかには台湾、バングラデシュ、ペルーなどのOEM工場が出展していた。
日替わりでセミナーも開催!
FaW Tokyoでは毎日、日替わりでセミナーも開催されている。登壇者はBEAMS執行役員やSHIBUYA109所長、アダストリア執行役員やWWD記者など、豪華メンバーが勢ぞろい。その貴重なお話を無料で聞けるチャンスは、ここでしかないだろう。
筆者はSHIBUYA 109 lab.所長の長田麻衣氏による「Z世代の消費行動から考える ~ファッショントレンドの移り変わり~」を受講した。長田氏は、「Z世代は熱狂するものも分散し、細分化や多様化が進む。万人受けするものづくりは困難」とした上で、「若い世代はSNS上での世界観を重視する。体験の場でも確認の場でも、オンラインから逆算した価値の提供が必要」と述べた。
まとめ
盛りだくさんなFaW Tokyo。商談だけでなくトレンドを含めた新たな情報収集の場として、アパレル業界の関係者は行って損はないと言えるだろう。次は2025年3月26日(水)~28日(金)に開催予定なので、気になる方は押さえてほしい。
日本最大のファッション展示会|FaW TOKYO (ファッション ワールド 東京) (fashion-tokyo.jp)