音楽、ファッション、食、全てにおいて韓国カルチャーのブームは止まらない。K-POPアイドルが発端で世界的ブームが起きることもしばしばあるほど。今のトレンドをキャッチするうえで、韓国は欠かせないといえるだろう。
オフィスコア
2024年に入ってから『プラダを着た悪魔』に登場するミステリアスな美人エディター、セリーナをアイコンとして流行となっている。
クラシックなブレザーやテーラードパンツ、シンプルなブラウスやシャツなどが基本アイテム。これらに、アクセサリーや靴などの小物で個性をプラスすることも重要。シンプルな時計や上質な革靴、控えめなジュエリーなどがオフィスコアファッションを完成させる。
この流行は韓国でも感じることができた。ハンナムで訪れた今話題の韓国ブランド「Open YY」は、24FW新作でまさにオフィスコアを体現している。
Open YYは、韓国のファッションブランドで、2020年に姉妹によって設立された。エレガントでありながらカジュアルなスタイルを提案し、特にアシンメトリーなシルエットや独特のデザインが特徴。ブランドは1990年代から2000年代のファッションからインスピレーションを受けており、Y2Kスタイルを取り入れたアイテムが多く見られている。
肩パットがしっかりと入ったクラッシックなジャケットや、襟に糊の張った白ワイシャツ、ネクタイがプリントされたトップスなど。店内のモチーフもオフィスになっており、パソコンやデスクが並んでいた。
ホンデにある「OR MUSEA」でも、オフィスコアを感じさせるシンプルでスタイリッシュなアイテムが揃っていた。白シャツを中心に、様々なトップスが集まる。
バレエコア
バレエコアとは、バレリーナの衣装やスタイルを日常のファッションに取り入れたスタイルのことを指す。このスタイルはエレガントでガーリーな要素が特徴で、バレエの美しいシルエットや軽やかな素材、優雅なディテールを取り入れ、可愛らしさと上品さを絶妙にミックスしたファッションである。
具体的なアイテムとしては、リボンやフリル、レースが多用される。例えば、チュールスカートやレッグウォーマー、バレエシューズなどが代表的だ。また、パールやサテンなどの光沢感のある素材もよく使われ、全体的に柔らかくフェミニンな雰囲気を醸し出す。
(出典:SIXTYPERCENT)
バレエコアは、韓国のK-POPアーティストが着用したことで注目を集め、2023年後半から世界的に広まった。このスタイルは、日常のコーディネートに取り入れやすく、ガーリーでロマンティックなファッションを楽しみたい方にぴったりだ。
これも韓国のアパレルショップでは頻繁に見かけた。流行りだしてから1年ほど経つものの、いまだにその人気は健在だ。カーディガンやカットソーなど長袖のものが多いことから、冬服の方がバレエコアに向いているのかもしれない。
ホンデのショップにて。ピンク、レース、リボンなどバレエコアを存分に感じられるアイテムが集まっていた。
ハンナムで見つけたこのお店もバレエコアがモチーフ。ピンクで店内の世界観も統一させている。
Y2K
もはや若者ファッションの定番となった「Y2K」。韓国、特にホンデではほとんどがそのスタイルだった。例えばこのように、サイズが小さめのぴったりとしたクロップド丈のトップス。
またこのようなローウエストのスカート・ズボンなどである。写真はソウルファッションウィークにて撮影したスナップ。
これらのY2Kスタイルは街中でも取り入れているコーデを頻繁に見かけた。MZ世代にとって「Y2K」は意識して取り入れるブームというより日常的に親しまれるカルチャーの1つになっているのかもしれない。日本でも同様、その風潮は感じられる。
グランジスタイル
グランジスタイル(グランジファッション)は、1990年代初頭にアメリカのシアトルを中心に発展したファッションスタイルである。このスタイルは、ロック音楽のジャンル「グランジロック」から派生し、特にニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーンの影響を強く受けている。
グランジスタイルの特徴は、擦り切れたネルシャツ、色褪せたカーディガン、ダメージジーンズなど、ラフで無造作なアイテムを組み合わせることだ。これにより、意図的に「きちんとしない」スタイルを表現する。また、モヘアアイテムやヴィンテージ風のアクセサリーもよく取り入れられる。現在でも多くのファッション愛好者に支持されており、その影響は現代のストリートファッションにも見られる。
ホンデのメイン通りの一角。擦り切れたようなデザインのトップスや色褪せたジーンズ記事など、グランジの要素を感じさせるアイテムが並んでいた。
グランジスタイルとストリートファッションをミックスさせたコーデも見られた。キャップやハンチング帽と合わせるのが定番スタイルなようだ。レザー素材のアクセサリーを合わせるのがグランジスタイルの特徴でもある。
冬は重ね着も楽しめる季節。だぼっとしたグランジスタイルは、これからのAWシーズンに大活躍なスタイルなのかもしれない。
まとめ
ここでは韓国を訪問して感じた24AWのトレンドについて解説した。これらのトレンドは韓国のアイドルやインフルエンサーによっても広く取り入れられており、SNSを通じて世界中に発信されている。韓国ファッションは、個性的でありながらも取り入れやすいスタイルが多く、今後も注目され続けるに違いない。
特に最近は韓国ファッションそのものが日本のアパレル業界でトレンドとなり、そのブームは今後も終わりが見えない。これからも早いスピードで入れ替わるそのトレンドをキャッチし、紹介していけたらと思う。