沖縄・石垣島で、地域を面白くしたい仲間が集まった一つの会社がある。その名も合同会社emptyで、石垣島出身の2人でweb制作やイベント企画、写真撮影などを手掛けている。

今回はご縁があり、このメンバーの一人である橋爪さんにインタビュー。会社で運営されているかき氷カフェ「Hinata cafe ishigaki」についてや、地元・石垣島への思いを伺った。

――合同会社empty様の簡単なご説明をお願いします。

私橋爪と、東里という男性の二人で共同代表をやっている合同会社です。今は石垣島にあるかき氷屋さん「Hinata cafe ishigaki」の運営をメインに、様々なプロジェクトに携わっています。

お互い石垣島出身で、一度島外に出ていたのですが、再び石垣島に戻ったタイミングでイベントを一緒にやったのがきっかけで知り合いました。
島の未来の話をしたり、面白いと思うポイントが一緒だったりして。なにか二人でやることで、石垣島にはまだない一つの働き方や選択肢ができたらいいなと思って起業しました。

――石垣島の課題はやっぱり「仕事」の部分なのでしょうか。

そこはすごく大きいと感じています。やりたい仕事が実現できない悩みを、子供たち自身が持っていることが多くて。島内で働くとなると、だいたいが公務員か、観光業か、農家さんか、しか選択肢がありません。

「イマドキなクリエイティブな仕事は東京に行かないとできない」という考えが多数なのですが、できないわけではなく、まだないだけなんです。
そこで私たちがその第一歩になり、「石垣に帰ってきたいけど、仕事がない」という悩みを抱える人を一人でも減らしたいと思い、2020年12月に立ち上がりました。

――なるほど。事業内容についても教えてください。

神奈川・葉山に本店がある「Hinata cafe」を経営されているご夫婦と東里が長年親しかったことから、このカフェを石垣島でもやりたい!と相方から一番はじめに出てきたアイデアが発端です。
そこで、飲食業に挑戦しようと当初から決めてはいたものの、すぐには難しく…。撮影のお仕事やデザインのお仕事など、今まで島外に流れていたお仕事を私たちが集め、島の中で解決できるようにサポートする日々が続きました。

そして2年前に、ご縁がありキッチントレーラーの一角をいただき、ついにかき氷屋さんの事業をスタートしました!常連さんができたり、観光のお客様がわざわざ来てくださったり。素敵なスタッフにも恵まれ、長年の夢がかなった瞬間でした。

そして店舗化を望む多くのありがたい声と、お客様にもっと心地の良い・Hinata cafeらしい空間で味わっていただきたいという思いから、2024年9月路面店をオープンすることになりました!

――クラウドファンディングについても教えてください。

このプロジェクトを始めるうえで、石垣島の家賃が高騰していることや、離島ならではの輸送費が非常に大きな課題点でした。銀行さんからの融資もお借りしているのですが、今までトレーラーだったものに比べると機械や部品がかなり拡大するのでかなりの費用が必要ということになり、クラウドファンディングを検討しました。

ただお金をいただくということではなく「想い」をいただき、支援者様と一緒に作り上げていくお店として愛していただければ嬉しいです。

小さな小さなトレーラーの大きな挑戦。石垣島のかき氷とクレープ専門店実店舗計画! – CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

また皆様に応援していただいているからこそ生まれる責任感もあると思い、挑戦しようと決めました。

――新しい店舗のこだわりポイントは何ですか。

名前が「Hinata cafe」なので自然光が入るようなお店ということと、人通りが多いところに移転したのでアーチ状のカウンターや、一歩奥まった入口など、目立つ工夫を加えています。

――一番人気のメニューを教えてください!

「沖夢紫のモンブラン氷」という、石垣のブランド芋を使用したモンブラン氷です。見栄えももちろんですが、こだわった濃厚な甘さと手作りの練乳、味も自信をもっておすすめできる一品です。

スタッフが机にお持ちしたとき、「綺麗!」とか「わー!」と歓声が上がるのは、店舗でも見ていて嬉しい瞬間ですね。

――最後に、今後の意気込みをお願いします!

最初にお話ししたように、「石垣島での働き方を増やす」ことの第一歩として「Hinata cafe ishigaki」はスタートしました。ここで働きたい!と思ってもらえる場所になれるよう、今後ともスタッフとともに精一杯努力していきたいです。

また会社としては、私たちの活動を見て、「会社作ってみたい!」「面白いことをやってみたい!」と立ち上がってくれるような島の後輩ができることが、一つの目標達成かなと考えています。

――ありがとうございました。

石垣島出身のお二人で、島の未来のために活動する合同会社empty。9月にオープンする初の店舗の完成が待ち遠しい。

〇合同会社empty

合同会社empty – 合同会社empty (emptyinc.info)