焼肉はこれまで、「食事の主役」として楽しまれることが多い外食ジャンルであった。一方で近年は、短時間で軽く飲む、食事と飲酒の境界が曖昧になるといった外食スタイルの変化も見られる。

こうした流れを受け、焼肉チェーン 『牛角』が平日限定のグランドメニューとして、2026年1月21日(水)から導入するのが「焼肉酒場セット」である。

筆者は事前に実施されたメディア内覧会に参加し、実際にその内容を体験。
本記事では、商品開発の背景に加え、実食を通して感じた味わいやボリューム感、そして“焼肉酒場”という新しい利用シーンの可能性について紹介する。

平日限定グランドメニュー化に至った背景

牛角では、「焼肉を食事ではなく、飲みの場として利用する」ニーズに着目し、2025年11月に平日限定・期間限定で『焼肉酒場セット』を販売した。

その結果、注文人数は想定の約1.4倍を記録。さらに、2時間飲み放題におけるドリンク注文数は1人あたり平均約6杯と、焼肉を“お酒のアテ”として楽しむ利用実態が明確に表れた。

これらの注文内容を単品メニュー価格に換算すると、1人あたりの平均単価は約5,300円(税別)相当となる。一方、『焼肉酒場セット』は1,980円(税別)という価格設定であり、3,000円以上お得に楽しめる計算である。
高い満足度とコストパフォーマンスが評価され、今回、平日限定のグランドメニューとして正式導入されることとなった。

定番焼肉盛りの実食レビュー!

■定番!焼肉盛り

  • ジューシーカルビ
  • 牛ハラミ
  • 豚カルビ

ジューシーカルビは脂の甘みがしっかりと感じられ、焼き上がりの香ばしさが食欲を刺激する。一口目から満足感があり、ビールやハイボールとの相性が良さそうだ。

牛ハラミはやわらかく、赤身の旨みが際立つ部位である。脂に偏らず、飲みながらでも食べ進めやすい点が印象的であった。豚カルビは程よい脂とコクがあり、焼肉の“つまみ感”を強く感じさせる一品である。

3種とも味の方向性が異なり、飲みながら飽きずに楽しめる構成となっている。

選べるホルモン盛りと味付けの完成度

■選べるホルモン盛り

  • シマチョウ
  • 豚ハラミ
  • ぼんちり

味付けは「白MIX」と「黒MIX」から選択可能である。

白MIXは塩だれとにんにくの香りが立ち、素材の旨みをストレートに感じられる仕上がり。ホルモン特有の脂の甘さが際立ち、レモンサワーなど爽快感のあるドリンクと相性が良い。

黒MIXは特製醤油ダレに黒煎り七味を合わせた味付けで、より“酒場感”が強い。香ばしさと程よい辛味が後を引き、日本酒や濃いめのハイボールとも合わせやすい印象を受けた。

いずれも「食事としての焼肉」ではなく、「お酒を進めるための焼肉」として計算された味付けであると感じられた。

飲み放題と枝豆食べ放題!居酒屋体験

「焼肉酒場セット」には、2時間の飲み放題(ラストオーダー90分)と枝豆食べ放題が含まれている。

牛角担当者は、「当初はキャベツ、キムチも食べ放題の候補に上がっていた。しかし、実際に社員でこのコースを体験したときに、満場一致でいい評価だったのが枝豆。お箸を使わず手軽に手を伸ばせること、飽きの来ないおいしさから、枝豆が採用されました。」と、そのこだわりを明かした。

焼肉を焼いている間にも枝豆をつまみながら会話が続き、提供のテンポが途切れない点は居酒屋利用に近い。筆者も実際に体験してみると、焼肉が提供されるまでの待ち時間や、食べ終わった後の“間”がなく、自然と杯が重なる構成になっていることが分かる。

実際に感じた「焼肉酒場」という新しい距離感

実際に体験してまず感じたのは、「焼肉に対する構え」が自然とほどける点である。一般的な焼肉コースのような重さはなく、居酒屋メニューの延長線として焼肉が提供されている印象を受けた。

焼肉は全6種、合計約200グラム。食事としては控えめでありながら、飲みの場としては十分なボリュームで、最初から最後まで無理なく楽しめる設計である。価格、量、内容のすべてにおいて、日常使いを強く意識した設計となっている。

仕事終わりに軽く一杯、友人との短時間の飲み、二次会前の立ち寄りなど、従来は居酒屋が選ばれていたシーンに焼肉を持ち込む試みだ。

焼肉酒場セット 概要

商品名:焼肉酒場セット
販売開始日:2026年1月21日(水)~(平日限定)
価格:1,980円(税込2,178円)
内容

  • 焼肉盛り
  • ホルモン盛り(白MIX または 黒MIX)
  • 2時間飲み放題(L.O.90分)
  • 枝豆食べ放題

※全国の牛角店舗で実施(一部店舗・沖縄県を除く)
※下記店舗では未実施

まとめ

『焼肉酒場セット』は、単なるお得なセットメニューにとどまらず、焼肉という外食ジャンルの立ち位置そのものを見直す提案であると感じた。
価格設計の面でも、焼肉に対する心理的ハードルを大きく下げている。1,980円という設定は、仕事終わりの一杯や短時間の飲みといった日常的なシーンに無理なく組み込める水準であり、「今日は軽く飲みたい」という気分の日に、自然と選択肢に入ってくる現実味がある。
平日限定という条件はあるものの、その制約があるからこそ、内容と価格のバランスが成立しているともいえるだろう。

焼肉をより身近に、より自由に楽しむ。牛角が打ち出したこの“焼肉酒場”というスタイルは、今後の外食シーンにおいて、焼肉の新しい定番の一つとして定着していく可能性を十分に感じさせる取り組みであった。