東京クリエイティブサロン実行委員会は、2025年も国内最大級のクリエイティブの祭典「Tokyo Creative Salon 2025」(Tokyo Creative Salon 2025 以下:TCS 2025)を、2025年3月13日(木)~3月23日(日)にわたり、東京を代表する10のエリア(丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、六本木、渋谷、原宿、新宿、羽田)を中心に開催する。

Tokyo Creative Salonとは?

毎年3⽉、桜咲く東京を舞台に開催する年に⼀度のクリエイティブの祭典。

ファッション・デザイン・クラフト・サステナブルなど多彩なジャンルが集い、東京から日本のクリエイティブの魅力を世界へと発信する。TCSのミッションは、日本の創造力をより良い世界へとつなげること。「伝統をつないできた技」や「新技術(デジタル・サステナビリティ)」、日常に新しい視点を加えたアイデアを世界に届け、東京・日本の都市としての価値向上を目指している。

日本人におけるクリエイティビティへの⾃信は、他国と比べて極端に低いと言われている。しかしTCSは、その現状を打破し、東京を世界のトップクリエイティブシティへと導くことを目指し、クリエイティブの可能性を追求し続けている。

6年目の開催となるTCS2025は、日本が誇る知恵や技術、そして美意識を「再発見し、再定義」することを目的に掲げ、「QUEST|さがそう〜創造性・美意識の探求〜」をテーマに様々な活動を展開します。世界から注目される地域づくりや見過ごされてきた知恵や技術、創造性に光を当て、多くのクリエイター、企業、地域が共に未来を創る場を提供します。

オープニングイベントを取材!

今回筆者は、TCSの拠点である東急プラザ原宿「ハラカド」4Fハラッパにて開催された、TCS2025の見どころをご紹介する「Tokyo Creative Salon 2025」オープニングイベントに参加。

東京クリエイティブサロン実行委員会 会長の廣内武氏によるご挨拶をはじめ、統括クリエイティブディレクターの齋藤精一氏がTCS2025についての説明が行われた。

今年のテーマは「QUEST|さがそう〜創造性・美意識の探求〜」。このテーマを設定した背景として、「文化・政治・経済・地方創生・人や団体に軸に、クリエイティブを通じて過去がどうだったのかを探求していただきたい。そのため各エリアへの入念なリサーチを行い、コンテンツを作っていったので、参加者が展示を通してなぜこのコンテンツがあるのかなどを対話しながら楽しんでいただければ嬉しい」と述べた。

実行委員会会長・廣内武氏に個別インタビュー!

今回は特別に、実行委員会会長を務める廣内武氏にお話を伺った。廣内氏は1965年に樫山株式会社(現・オンワードホールディングス)に入社。初代の海外事業部長として数多くのデザイナーとの関係を築き、グローバルビジネスを切り開いた。同社、社長・会長を経て、2021年5月まで最高顧問。また、日本アパレル・ファッション産業協会の理事長を09年から18年まで務め、業界全体への発展に貢献した人物だ。

――今年のTCSはどんな気持ちで迎えましたか。

日本の方含め、海外からのお客様にも楽しんでいただけるTCSであってほしいと思っています。主催者側として仕事をしている方も、来場していただくお客様も、様々なクリエイティブを通して一体となっていければ嬉しいですね。

不思議なことに、主体となる人たちが気分よく楽しくやっていれば、その空気感が最終的にはお客様にも伝わっていくものです。そして、世の中厳しいことが多いじゃないですか。昨今はニュースを見ていても明るい話題が少ないですから、とにかく「楽しくやりましょう!」をモットーにここまで進めてきました。

――都内拠点に加えて、「羽田」を入れた理由は何かあるのでしょうか。

羽田は日本、特に東京の玄関口ですよね。10年連続で5スターエアポートに選ばれた、世界の羽田ですから。日本のどこよりも海外の方々に触れていただける絶好のエリアなので、TCSには欠かせない場所として選んでいます。

――廣内さんが思う、一番興味深いクリエイティブは何ですか。

私は長年アパレル業界にいましたので、「刺し子」のクリエイティブは是非見ていただきたいですね。


(現代のアイテムと刺し子の技術を融合させた作品が登場する)

日本独特の技術で、エリアで生まれてエリアで育った職人技。刺し子に限らず、日本の伝統文化は世界に誇れる技術力だと思っています。

最近ではラグジュアリーブランドが次々と日本の伝統技術を製品に取り入れています。今回はTCSを通して、そのような伝統の良さもお客様に理解していただいて、少しでも多くの方に興味を持っていただけると嬉しいです。

――アパレル業界でクリエイティブを起こす若者へ、期待のメッセージがあればお願いします!

最近はなんとなく、皆が流行に合わせていて特色が薄いように感じます。私はファッションの魅力は「独自性」だと思っています。若手の皆様には、「こんな生地見たことない!」「こんな服見たことない!」というような、かつてその人が体験したことのないようなモノ、デザインを作っていってほしいですね。

その人にしか作れないもの。「模倣はなし!」くらいの自由なクリエイティブを続けてみてほしいです。

――ありがとうございました。

筆者注目の企画を3つ紹介!

今回のTCSでは10の拠点で様々なイベント・展示が行われている。その中でも、筆者が注目したいものを3つに絞って紹介する。

渋谷の街全体が舞台に!渋谷ファッションウィーク2025

2014年春の初開催以来、今回で12年23回目を迎える渋谷ファッションウィークは「渋谷の街を舞台に世界的なカルチャーフェスをつくる」ことをビジョンに掲げ、新たなスタートを切る。

期間中、ナイジェルグラフ氏のアートが渋谷の街を彩り来街者をお迎え。渋谷某所に出現する大型アートも必見だ。大型商業施設はもちろん、渋谷駅周辺の大型商業施設や路面の参加店舗(約100店舗)にて、InstagramのSFWアカウントのフォロー画面提示でスペシャルな優待を用意した。渋谷の街を探索して、この期間限定の刺激や発見を楽しめる。

開催日:2025年3月13日(木)~23日(日)
場所:渋谷 ※各会場は随時情報公開
渋谷ファッションウィーク詳細URL:https://www.shibuya-fw.com/
TCS 渋谷エリアURL:https://tokyo-creativesalon.com/events/?category=area&spot=shibuya

「EXCESS―過剰性の時代に建築はAIと何ができる?―」

積水ハウスは、隈研吾・東京大学特別教授を中心に設立した「SEKISUI HOUSE – KUMA LAB」と共に、「未来の住まいのあり方」をテーマとした研究および次世代の建築人材育成・住宅イノベーションの実現を目指し活動を続けてきた。本プロジェクト展では、「EXCESS―過剰性の時代に建築はAIと何ができる?―」と題し、平野利樹特任講師のもと「過剰性のニワ」をテーマに、国内外の学生たちが生成AIを活用しながら制作した作品を展示する。


(東京大学特任講師の平野先生)

学生たちは、生成AIや別のプログラムと組み合わせて、自分のデザインした建築の中を探検できるゲームなどを制作したという。

開 催 日:2025年3月13日(木)~3月23日(日)
場 所:ハラカド4F ハラッパ内
詳細URL:https://www.sekisuihouse.co.jp/kumalab_excess/

Tokyo QUEST Gacha – AREA Edition –

東京を行き交う「誰か」のとっておきのクリエイティブなおすすめスポット情報が手に入るガチャを東京各10エリア(丸の内、日本橋、銀座、赤坂、六本木、渋谷、原宿、新宿、羽田)に設置。ガチャを回して、検索やSNSだけでは知ることができない未体験の東京を発見することができる。

開催日:2025年3月13日(木)~23日(日)
場 所:丸の内、日本橋、銀座、赤坂、六本木、渋谷、原宿、新宿、羽田 各企画実施スペースにて

まとめ

東京10エリアを舞台に、ファッション、サステナブル、伝統工芸など日本のクリエイティブな魅力をQUESTする11日間。その他20を超えるトークショーイベントや、各所で様々な展示が用意されているので、興味のある方は是非チェックしてほしい。展示によっては期間が決まっていたり、事前予約が必要だったりするので、必ず調べてから行くことをおすすめする。

日本が誇るクリエイティブを世界に。すべての来場者が楽しめる本イベントに、参加してみてはいかがだろうか。

〇Tokyo Creative Salon 2025(TCS2025)

・開催期間:2025年3月13日(木)~23日(日)
・開催エリア:丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、六本木、渋谷、原宿、新宿、羽田
・メイン会場:東急プラザ原宿「ハラカド」
・主催:東京クリエイティブサロン実行委員会
・公式HP:https://tokyo-creativesalon.com/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/tokyocreativesalon/
・公式X:https://twitter.com/tokyo_c_s