ここ数年、よく耳にするようになった「推し活」という言葉。「推し活」とは、自分が好きなアイドルや俳優、キャラクターなどをさまざまな形で「推す」、つまり応援することを言う。ライブやイベントに参加するだけでなく、自分でグッズを作ったり、推しのアイテムと一緒に出掛けたりなど、幅広い活動を指す。10~20代を中心にSNSで発信され、インスタグラムでは「#推し活」のタグは197万投稿と、盛り上がりを見せている。

そこにターゲット層を絞り、立ち上がったのが株式会社Oshicoco。今回は代表の多田さんと、社員の曽根さんにお話を伺った。

起業して3年目!25歳社長の多田さん

代表の多田さんは、2021年に早稲田大学を卒業され、起業。学生時代は女性向けメディアMERYにてライターとして活動し、100人ほどを統括するマネジメントも行っていたという。

――多田様の簡単なご経歴、起業までの背景を教えてください。

多田:今、起業して3年目になりました。大学生の時は、MERYでインターン生として美容・ファッション・カフェなどに関する記事を書いていました。そこでライターやSNSの経験をかなり積みましたね。
元々勉強が好きで、歴史や社会について考えることが好きだったので、初めは大学院に進学しようと思っていました。研究職が向いてるのかな~とか。そんな中で色々ご縁があって、エンタメ業界の面白さに気づき、志すようになりました。大学卒業後はエンタメ系の会社に就職し半年ほど働きました。そこで仕事のもとになるような事業のアイデアを見つけ、起業をしております。

――Oshicocoについて説明をお願いします。

多田:「推し活」をコンセプトに、メディア運営とグッズの販売を行っています。そこで得た知見を活かし、企業様向けにコンサルティングも行っている会社になっています。今社員が8人で、アルバイト含めて15人くらい。全員が20代前半というすごく若い会社をやっております。

――お若い…!社員の方は皆なにかのオタクなのでしょうか。

曽根:私はKPOPのオタクをしています。渡韓したりイベントに参加したりと、「推し活」は生活の一部になっています。土日は現場に行っていることが多いですね!

(曽根さんは新卒でOshicocoに入社。営業や広報など、幅広い業務を担当する)

多田:私はタイの俳優のオタクをしています。タイが大好きなので、先日タイフェスにも行ってきました(笑)

――インスタのフォロワーは8.7万人!認知度、フォロワーを増やすために努力したことは何ですか。

多田:最初のころはとりあえずたくさん投稿していましたね。あとはやっぱりMERYの時の経験がすごく大きくて。「推し活」というテーマでありながら、若い女の子が何に悩んでいて、何に興味があるのかをずっと考えていました。なので、先にそういう「日頃の悩みや不安」があって、そこに「推し活」を絡めていく、という考え方でコンテンツを作っていきました。
これまでオタクの領域は、「ジャニーズ」や「KPOP」「二次元」などジャンルごとに分担されていましたが、「オタクの生活での悩み」にスポットライトを当てたコンセプトがハマって、8万人まで伸びたという感じです。

――なるほど。外部からの流入にも力を入れているのでしょうか。

多田:そうですね。インスタだけで伸ばし続けるのは難しいので、POPUPイベントに来たお客様が、その後インスタもフォローしてくださったりとか、そっちの流れも最近は増えています。

オリジナルアイテムは完売することもしばしば

――アイテムのこだわりポイントを教えてください。

多田:まずはやっぱり「可愛さ」。デザインでときめきをお届けできるようにこだわっています。今まで推し活のグッズって、外で普通に持つには恥ずかしいとか、そんな感じのものが多かったんですよ。弊社のアイテムは、胸を張って持ち歩ける、そんなイメージを大切にしています。あとは「推し」のカラーバリエーション(担当カラーなど)を増やしたり、推しを動物に例えて楽しまれる方も多いので、動物系のモチーフの商品も取り揃えています。

――人気のアイテムはどんなものがありますか。

多田:今、一番人気があるのは「推し好き守りキーホルダー」。コンサートの当選祈願など願いをこめたお守りです。これはどのPOPUPでもすごく人気が出ていて、海外のお客様にも好評です。

その他にはコンサートで活躍するうちわ用のシールや、自分でチャームを組み合わせて作れるキーホルダーが人気。

――アイデアは社員同士で出し合っているのでしょうか。

多田:社員でお喋りしながら「これ作ろう!」となることが多いですね。真面目に確認取って会議して、というよりも、みんなで雑談しながらの方がいいアイデアが生まれます。(笑)これは、社員全員がオタクであること、20代前半であるからこその企画力だと思いますね。

――会社を始めてから嬉しかったことは何ですか。

多田:最初のころは予想していなかった、大きな会社様とお仕事ができることが最近増えてきていて。それは素直に嬉しいです。例えば4月、Avail様(しまむらグループ)とコラボさせていただいて、大変ご好評をいただきました。そういった自分が子供のころから知っている会社様と、0から始めたOshicocoという会社がコラボさせていただいているのは本当に嬉しいです。でも、それと同時に責任も感じています。タワレコ様や東急ハンズ様など大きい店舗に弊社の商品を取り扱っていただいているので、もっと頑張っていこうと思って身が引き締まります。

曽根:そもそも自分が「推し活」をしているので、自分の好きなことを仕事にできるのが楽しいですね。また、「推し活」についてよく知らない企業様向けにアプローチした際に、そんなに楽しいものなんだ!と理解いただいた時、固定概念が変わったところに立ち会えるのはすごく嬉しいです。

お客様との距離の近さが、Oshicocoの強み

――お客様にはどんな「オタク」が多いのでしょうか。

多田:ざっくり、二次元(アニメや声優)50%、三次元(ジャニーズやKPOPアイドル)50%です。なのでOshicocoは、全てのオタクの層を網羅しているともいえます。

――お客様との関係性も、魅力的ですね。

多田:インスタでは定期的にストーリーで質問募集をして、お客様のリアルな声を聴けるように意識しています。また、毎日数十件タグ付けの投稿をしていただけるので、「推し活」している人たちにとってタグ付けしたくなる、当たり前の存在にOshicocoがなってきているのがすごく嬉しいですね。あとはPOPUPイベントの時に、「このために東北地方から有給使って来ました!」というお客様や、「Oshicocoに出会ってからもっと推し活を楽しめるようになりました」というお手紙をくださるお客様もいたり。そういうお声は本当に励みになりますね。

――今後について、意気込みをお願いします!

多田:「推し活」は日本が世界に誇るべき文化だと思っています。国内のお客様はもちろん海外から日本に観光でいらっしゃったお客様にも、広げていきたいなというのは、起業当時からありますね。
今後日本の人口が減っていってしまう中で、日本の「推し活」や「オタク」が持っているパワーってすごく未来がある分野だと思います。そこで頑張って、この文化だったりライフスタイルの素晴らしさを広めていきたいです。世間的にも、「推し活」といえばOshicocoだよね、となるような当たり前の存在になりたいなと思っています。

――ありがとうございました。

「推し活」という新しい分野に絞り、世界中のオタクをターゲットに展開を進めるOshicoco。今後もそのメディアとしての影響力や、若手社員たちが生み出すアイテムの企画力に期待が高まる。
また、5月17日より名古屋のハンズにてPOPUPを開催予定。気になる人は是非足を運んでみてほしい。

〇Oshicoco

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