寺田倉庫が運営するアートギャラリーカフェWHAT CAFEと、JILL STUARTがアートとアパレルを融合させたエキシビションを6/5~6/16まで開催。筆者は一足早く取材で伺った。

天王洲アイルに位置する寺田倉庫WHAT CAFE

会場は天王洲アイル駅から徒歩5分ほどにある、WHAT CAFEというアートギャラリーカフェだ。取材の日は快晴だったのもあり、気持ちが良い。

中に入ると、奥まで広がる広々とした空間でくつろげる。吹き抜けの部分から入る日光で、店内は明るくすっきりとした印象だ。

JILL STUARTとのコラボアイテムの展示

会期中はJILL STUARTの2024シーズンコンセプトである「Multifaceted gem」を再解釈した14名の若手アーティストによる作品が展示されている。また今回は御村紗也、仲衿香とコラボアイテムも制作。アートをそのまま生かした華やかなワンピースやスカート、トートバッグなども並ぶ。

担当者に独占インタビュー!

今回は、本企画の担当者を務める阿食さんにお話を伺った。

――今回の企画について簡単なご説明をお願いします。

今回は、JILL STUART様とのコラボの第二弾となります。第一弾は昨年の11月に初めてご一緒させていただき、JILL STUARTのお客様に私たちの活動を知っていただけたということと、私たちのアートファンのお客様にもコラボ企画の取り組みを知っていただくきっかけになりました。
両社にとって非常に良い取り組みになった、ということで第二弾のお話をいただき、開催に至りました。

――テーマを教えてください。

JILL STUARTさんはシーズンごとにお洋服のコンセプトを作られているのですが、2024年春夏のコンセプトは「多面的な魅力」という意味の「Multifaceted gem」です。今回はそのテーマを再解釈した14名の若手アーティストによる作品を展示販売します。
どの角度から見ても美しい宝石のように、女性は色々な輝きを持っているし、見る角度・時代によってもその輝きは変わっていく、という面で、「変わっていく美しさ・変わらない美しさ」をイメージしたコンセプトになっています。

またメインアーティストとして、御村紗也さんと仲衿香さん、2名を選定させていただいております。今回は特別にコラボアイテムとして、JILL STUARTさんとのコラボアイテムとして、お2人の作品を活かしたアイテムも販売いたします。WHAT CAFE、全国のJILL STUART店舗、オンラインサイトにてお買い求めいただけます。

――なぜJILL STUART様とのコラボを決めたのですか。

きっかけとしましては、JILL STUARTの担当者の方がこの施設に遊びに来てくださって、「ここでアートを活用して一緒になにかできないか」とお声がけくださったのが始まりです。

――偶然の出会い…!続いてWHAT CAFEのご説明をお願いします。

WHAT CAFEは寺田倉庫が運営しているアートギャラリーカフェです。2020年10月にオープンし、若手アーティストの支援を中心にアート作品の展示販売を行ってきました。

弊社は倉庫会社として、1975年から美術品の保管事業を行っています。人々にとってアートがより身近になり、コレクションする方々が増え、アート市場が活性化していくことは、当社の事業においてもプラスになります。
そこで、新たなアートコレクターを生むようなアートを購入しやすい場所を作りたいという思いから誕生しました。カフェが併設され、どなたでも気軽に入りやすい施設なので、多くのお客様にお立ち寄りいただいており、「ファーストピース(初めての作品)」を買う場としても機能しています。

展示は年に約10回のペースで総入れ替え。一点でも多くの作品を見ていただき、自分の好きなアートを見つけていただくことをモットーにしています。

――今回の企画の見どころはなんですか。

「コラボレーションの在り方」を見ていただけたらなと思います。今回は初めての試みとして、作品をそのままテキスタイルにのせたところが、挑戦的な部分でした。

さらにそのテキスタイルを、お洋服だけでなく展示会の装飾にも使ったことも、今回の見どころです。アートにはない表現、そしてファッションにはない表現のどちらも味わえる展示会になっていると思いますので、是非見ていただきたいです。

また、作家が在廊しお客様とコミュニケーションをとれるようにしたり、ライブペイントのパフォーマンスを行ったりと、ただ見るだけで終わらない企画作りを心がけています。


(実際に行われたライブペイントの制作イベント)

――アート×ファッションの融合についていかがでしたか。

ファッション業界で、アートのプリントを忠実にテキスタイルに取り込むのはハードルの高いこと。お互いの専門分野を尊重しあって、プロジェクトを進められてきたなと思います。また今回の展示では、その基になった原画作品と、コラボアイテムを並べて展示しているのもポイントです。

――今後について、意気込みをお願いします!

このような企画を通して、それぞれの業界の中にいるだけではわからないことや、お互いの常識を知ることで、初めて学ぶ部分もすごくあったなと感じています。今後も是非色々な業界・ブランドさんと新たなお取組みをしていきたいなと思っています。
またWHAT CAFEは、コラボレーションを通じて様々な人や企業の「アートとは」を見つめ直し、新たな発見を生み出す空間を目指してまいります。

――ありがとうございました。

アートの展示や企画によって、若手アーティストの発表の場を増やすWHAT CAFE。今後も他業種・様々なブランドとのコラボレーションの展開が、楽しみだ。

〇寺田倉庫WHAT CAFE

https://cafe.warehouseofart.org/