衣装を探したいスタイリストと、衣装協力でメディア露出をしPRをしたいブランドをマッチングするサービス「STYLIA」を運営するアイエント株式会社。
弊社はこの度ご縁をいただき、そこに登録されているスタイリストさんへのインタビュー取材を連載企画として始めることに決定した。
今回はその第三弾として、フリーランススタイリストの坐光寺さんにインタビューさせていただいた。坐光寺さんはこれまで、カレンダー撮影(ハロープロジェクト、テレビ東京アナウンサー)、しまむら広告撮影や様々なタレントのテレビ衣装を担当してきた。
――簡単な自己紹介をお願いします。
スタイリストの坐光寺美紀です。業界歴は25年目になります。大学を卒業後、アシスタントを2年を経験し、そこからフリーランススタイリスト一本でお仕事しています。
最初はファッション誌で独立させていただいていて。安室奈美恵さんが流行った時代だったのでギャル雑誌も多く担当し、業界に入った当初はギャルにたくさん囲まれてお仕事してました。(笑)長女の出産を機に、タレントさんのスタイリング(テレビ収録、CM、電車内広告)などに移りながら今に至ります。実は3児の母で、ママスタイリストなんです。
――3人のお母さんなのですね…!!タフすぎます。スタイリストになろうと思ったきっかけ・理由はなんですか。
スタイリストになろうと思ったのは小学校4年生の時。クリスマスプレゼントに母からファッション誌「mu Sister」をもらったのですが、あるモデルさんのページを見たときに、「なにこのかわいい服!」と感銘を受けたんです。そしてクレジットを見て初めてスタイリストの存在を知り、それが夢になりました。
そのままずっとなりたいと思いながら大学を卒業しアシスタントになって、今はフリースタイリストとして働いています。アシスタントの下積み時代は「絶対独立するぞ!」というモチベーションだったので、フリーになることに抵抗はなかったですね。
――長年の夢を叶えられたのですね!この仕事の楽しいところを教えてください。
普通の生活していたら、毎日こんなにたくさんの人と会わないだろうなというくらい、初めましての人と会えること。そして皆で一つのものを作るために力を合わせる作業をして動く楽しさがあることです。
あとは自分がスタイリングをして、モデルさんが素の状態から200%素敵に仕上がった時は、ご本人にもすごく喜んでいただけますし、私自身も嬉しいです。
――一日のスケジュールを教えてください。
起きて、子供たちの準備をして小学生(上2人)を見送り、保育園の3男を送って、一回家に戻って荷物をまとめて出発…です。タレントさんの入り時間の30分前には現場に着くように向かっているので、衣装を広げてアイロンかけなどしてお待ちします。終わったあとは家に帰ってリース返却、家事などバタバタしています。
――育児との両立で難しい部分もあるのでしょうか。
スタイリストさんって目に見えていないお仕事が多いんです。会社と違って定時がないので、クライアント様が求めるお洋服探しにやろうと思えば無限に時間を使えちゃうんです。
子供たちが寝静まった後にネットで探し回ったり、手作業で加工したり…提示されたギャラの中で全て行うので、作業時間の線引きが難しいですね。
――今までで印象に残っている仕事は何ですか。
なにかと思い出すのは、アシスタントになると決まった日、出版社の撮影スタジオに初めて入ったモデル撮影の現場です。モデルさんがシャッター音とともに動く姿とか、スタジオの匂いや音、その時の感動がなにかと蘇りますね。悩んだ時、困った時に思い出して頑張れる、ずっと印象的な瞬間です。
(都内各所のスタジオに行きます。インテリアも素敵なので気分が上がります)
――逆に一番大変だったことはありますか。
カレンダー撮影の衣装集めですね。モーニング娘。さんのカレンダー撮影は、1カット1人について3~4パターンのコーデを12人分、それを12カ月分となるとものすごい量の洋服を探して、集めなければいけないので大変でしたね。
あとは労働時間かな。テレビの制作業界など昔よりは改善されてきてはいるものの、子育てしながら女性がクリエイターとして仕事していくのはまだまだ厳しいなと感じています。
――STYLIAに登録した経緯やメリットを教えてください!
テレビの仕事をフルで始めたころ、テレビ用の衣装を貸してくださるブランドさんが少なかったり、季節の変わり目などに欲しい服がブランドさんにないことも度々あったりで困っていました。
そのときにSTYLIAの存在を知って、首都圏だけではなく今まで知らなかった地方のブランドさんまで利用できることが便利で、利用しています。自分だけでは出会えなかった洋服に出会えて、それがリースできるというサービスに何度も助けられていますね。
――パタンナーやスタイリストを目指す学生にメッセージをお願いします!
スタイリストは競争の激しい華やかな世界に見えますが、飛び込んでみると受け入れてくれる方が多いので、そこから地道に努力してアシスタント歴を積めば認められる業界だと思っています。
最近は出版社さんだけでなく個人のスタイリストさん・事務所さんでも求人を出していたり。最初に応募するのは勇気がいるけど、やってみたいと思うなら是非一回挑戦してみてほしいですね。
――最後に、今後挑戦してみたいことや意気込みをお願いします!
実は今、起業しようと思っていてセミナーに通っています!子供の私立受験の時、お受験用のお母さんの服の少なさに驚いて。数回だけ着て終わるなんてもったいないし、もっと可愛いものを作りたい!と思って、スタイリストの目線から制作してみようかなと取り掛かっている最中です!完成はすぐにではありませんが、良いものを作れたらと思っています。
――ありがとうございました。
インター・ベルのメディアでは、これからもアイエント株式会社様のご協力のもと、アパレル業界においてスタイリストとして活躍される方々へのインタビューを随時更新してまいります。