衣装を探したいスタイリストと、衣装協力でメディア露出をしPRをしたいブランドをマッチングするサービス「STYLIA」を運営するアイエント株式会社。
弊社はこの度ご縁をいただき、そこに登録されているスタイリストさんへのインタビュー取材を連載企画として始めることに決定した。

今回はその第二弾として、フリーランススタイリストの南さんにインタビューさせていただいた。

――簡単な自己紹介をお願いします。

フリースタイリストの南まりいと申します。29歳で、鹿児島県出身です。23歳で上京し、今は7年目になります。
最終学歴は佐賀女子短期大学の栄養福祉学科専攻です。実は卒業後、栄養士を1年していました。そのあと地元で2年半アパレルをし、販売員と店長を経験しました。
その後、ずっと憧れていた東京に上京し、芸能の養成所に入りました。「エキストラ募集!」の張り紙を見てクラスのみんなで行って。それで初めてドラマ収録の現場を見て、衣装部の存在を知りました。

そこの衣装さんに、やってみない?とお声がけいただいたのが今の職業に就いたきっかけです。

業界歴は7年目、独立して3年目です。ドラマやWEB CMなど映像系を中心にお仕事させていただいていて、現在は2024年10月期ドラマ「3年C組は不倫してます。」(日テレ)を担当しています。過去作品としては、「君となら恋をしてみても」、「帰らないおじさん」、「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」などになります。

――栄養士をされていた時代も…!昔からお洋服に興味はあったのでしょうか。

20歳まで服に全く興味がなかったんです。短大までずっとバレーボールをしていたのもあって、あまり女子らしいものに興味がなかったというか。働き始めてから洋服を持っていないことに気づき、そこで初めてお店に行って「こういう楽しみがあるんだ!」「こうやって変われるんだ!」という発見で洋服を好きになりました。

コロナ禍に入る前はTGC(ファッションショー)を運営している会社さんでアルバイトをしていました。休日はスタイリストさんのアシスタントをしつつ、平日はTGCのお仕事という毎日。

はじめはスタイリストって入れ替わりが激しいし、ずっとその仕事で生きていけるかなと思っていました。
しかしTGCのお仕事の中で生の世界でやっているスタイリストさんを見て、「いつか自分も大きいショーを作ってみたい」「皆が見てくれるような仕事をやりたい」と思い、そこからプロのスタイリストさんに1年弱ほどついて、独立しました。

「世の中の流行りを作っていく側になりたい」と強く思ったのがきっかけですね。

――この仕事の楽しいところを教えてください。

ドラマのお仕事が多いので、監督や演者さんとの衣装合わせの時に、事前に台本を読んでどういう人を作るかディスカッションして、一つのキャラクター・ドラマを作っていくのが今は一番楽しいです。スタイリストっていうと雑誌やCMなど、華やかなお仕事だと思われがちなんですが、ドラマは意外と地味で、ドラマの内容によって勉強しなくてはいけないこともあったり(医療系など)日々奮闘しています。

新宿駅で1時間ぼーっと見て、「こういう服が人気なんだな」「こういう雰囲気を出すにはこういう服がいいんだ」と観察する日や、一日中百貨店を巡ってイメージを固めることも。大変ではあるけれど、台本を色々読み込んで、キャラクター像を悩むのが楽しいですね。

――一日のスケジュールを教えてください。

ドラマだと始発~終電までのこともあったり…。撮影が午前で終わった日は午後にリース返却に行ったりとバタバタしています。

――今までで印象に残っている仕事は何ですか。

ドラマで事故現場の撮影をしていて、主人公が刺されて倒れるシーン。「血はどう広がるのか」「刺された服はどのくらい破けるのか」など衣装のリメイクや血のり装飾などは全て衣装部の仕事なので、状況を想像しながら、いかにリアルに作れるかを追求するのが大変だったし、印象に残っています。

また、ドラマって順番に撮っていくわけではなくて、一話撮った後に最終話を撮ったりするので先のことを考えて頭の中で衣装も設定し、常に先のことを配慮しながら進めます。自分がドラマを見ているときは何も考えていなかったけれど、撮影の裏側はそうなっているんだ!と印象的でしたね。

――なるほど…!スタイリストさんのお仕事の幅広さに驚きます。STYLIAに登録した経緯とメリットも教えてください!

知り合いのスタイリストさんに紹介いただいて登録しました。ドラマって本当にリースに行く時間がないのでネットで見れるのが楽で!撮影休みが土日だったりするとブランドさんもお休みでなかなか営業にも行けず…。という問題を解決できたのがSTYLIAです。

取り入れてからは撮影現場の空き時間に衣装を探せたり、今まで知らなかったブランドを覚えられたりと沢山助かっています。
あとはアイエントさんを仲介していただいているので連絡漏れがないのも安心です。いつも即レスいただけるので助かっています。

――パタンナーやスタイリストを目指す学生にメッセージをお願いします!

今は学校を出てすぐスタイリストになれる子もでてきています。私たちの時代と違って下積み時代がなくなってきていることに驚いています。

でもその分、忍耐力が少ないというか。アシスタントで来てくれている学生さんも、今は続けていない子が多くて。夢に対して諦めが早いのかなと少し感じることもあります。

今あることに対してだけ考えるのではなく、30歳までを想定して夢や目標を書き出してみるのもおすすめです!私のように全然違う職業からやりたいことが見つかったりもするし、全部経験だと思って、自分の強みに変えながら前向きに頑張ってほしいと思っています!

――最後に、今後挑戦してみたいことや意気込みをお願いします!

ドラマ・映画はこれからもスタイリストとして続けていきたいですし、ゴールデン帯のドラマもできたらなと思っています。あとは自分が作ったスタイリングを若い子が真似してくれたり、見た方に評価していただくことが今の目標です。

――ありがとうございました。

インター・ベルのメディアでは、これからもアイエント株式会社様のご協力のもと、アパレル業界においてスタイリストとして活躍される方々へのインタビューを随時更新してまいります。