衣装を探したいスタイリストと、衣装協力でメディア露出をしPRをしたいブランドをマッチングするサービス「STYLIA」を運営するアイエント株式会社。
弊社はこの度ご縁をいただき、そこに登録されているスタイリストさんへのインタビュー取材を連載企画として始めることに決定した。
今回はその第七弾として、スタイリストの加納茉季さんにインタビューさせていただいた。加納さんは大学卒業時からスタイリストの道に進み、様々な現場を経て現在は映画・ドラマといった映像のスタイリングを多く⼿掛けている。直近では映画「366日」、テレビドラマ「ビジネス婚 ~好きになったら離婚します~」を担当。
――簡単な自己紹介をお願いします。
スタイリストの加納茉季と申します。出身は岐阜県で、服飾系の高校に行ったあと名古屋モード学園スタイリスト学科に進みました。その後スタイリストの棚橋公子のアシスタントとして入り、今も一緒に映画・ドラマなどのスタイリングを担当しています。
――服飾科がある高校は珍しいですね。
岐阜県でほぼ唯一「服飾デザイン科」がある高校でした。たまたま師匠の棚橋も同じ高校で!面接のとき知ってびっくりしました。
――というと、中学生の時点でお洋服・スタイリストに興味があったのでしょうか。
幼い頃から親がミシンで靴入れやカバンを作ってくれていたので、それを見ながら楽しそうだなと思っていました。また、高校の頃はパタンナーも視野に入れていたのですが、ドラマや映画も好きだったことから憧れのスタイリストになりたい!と思い、多少のミーハー心もありこの世界に入りましたね(笑)。今年で8年目になります。
――なるほど。では、このお仕事の楽しいところややりがいを感じる瞬間を教えてください。
衣装合わせや現場は精神的・肉体的に辛いときもあります。なかなか衣装が決まらず行き詰ったり。しかしそれを超えるくらい、自分がコーディネートした衣装を役者さんが着て、それで役になり切って演技している姿を間近で見るのが好きです。一つ一つの撮影にそれぞれ思い出があって、毎日たくさんの方と一緒にお仕事するのは楽しいですね。
――一日のスケジュールを教えてください!
撮影の日の一例ですが、最寄り駅から5:10の始発に乗って渋谷や新宿で集合して、現場に向かいます。衣装は事前に全部準備してあるものの、ただ着せるだけではなく撮影中はずっと見ながら臨機応変に動き回っています。終わるのは終電前なことも…。
しかし最近は映適(日本映画制作適正化機構)が入っている作品が増え、労働時間の規制が入って厳しくなったので、遅くまでかかった日の次の日はお昼から働いたりと働く時間調整しています。
――今までで印象に残っているお仕事は何がありますか。
今月1月10日に公開されたばかりの「366日」は、東京で1カ月、沖縄で1カ月の撮影でした。高校生~30代後半までの役をご本人が一貫して演じた大作です。2008年ごろの設定だったので、当時のファッションの流行りに合わせつつ年代を意識したスタイリングに苦戦しましたね。現場では当時の雑誌を見たり調べたりと、こだわりました。
また沖縄のロケがちょうど真夏だったので(映画内では2月の設定)、猛暑の中役者さんにコートを着ていただいて頑張った撮影でしたね。とにかく暑かった…!
――ちなみに初めてのお仕事は何だったのでしょうか。
初期は「HiGH&LOW THE WORST」シリーズに入らせていただきました。本当にアシスタントなりたての1年目とかだったので、右も左もわからないままの現場で。役者さんの数も多かったので、毎日泣きながら動き回っていました(笑)。アシスタントとしての動きもわからない状態だったので、大変だったなという記憶がありますね。
――注目のファッションブランドを教えてください!
個人的に好きなのは「チャオパニックティピー」です。可愛くて少し個性があって、よく買います。
――STYLIAに登録した経緯やメリットを教えてください。
3~4年前くらいに作品でご一緒したスタイリストさんが愛用されていて、「どこで借りてますか?」と聞いた時に教えていただいきました。当時は自分で歩いて借りに行くスタイルだったので、「ネット上で見てお願いするだけで届けてくれる」という画期的なサービスで大変重宝しています!
――スタイリストを目指す学生にメッセージをお願いします。
少しでもやりたいと思うなら、一歩踏み出してほしいなと思います。難しいのって初めの一歩だけかなと思っているので。もちろんアシスタント時代はお給料や労働時間など厳しい面もありますが、諦めずに頑張ってほしいです!
――最後に、今後の目標を教えてください。
師匠の棚橋が映画のプロデューサーもやっており、現在「映画(窒息)」が公開中です。そのグッズや衣装の制作を担当しています。お洋服だけでなくこういうクリエイティブなことも好きなので、スタイリストだけにとどまらず、絵や小物の製作もできたらなと思っています!
――ありがとうございました。
インター・ベルのメディアでは、これからもアイエント株式会社様のご協力のもと、アパレル業界においてスタイリストとして活躍される方々へのインタビューを随時更新してまいります。